ねぇ、こっち向いてよ （２）

７４. ページ29

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『今日は長谷川さんのお家がいいです』






Aさんがこうして思っていることを言ってくれたことはそんなに多くないから

あと、週刊誌とかそういうのにとても気を遣ってくれているってことは前からずっと知ってて、言いづらい状況だってことも分かってたから




だからこそ、こうして言ってくれたことが嬉しかった









「なんでですか？」


って聞いたら



『なんとなくです』


って。









移動中はそう言っていたけど、いざ部屋に入ると、



『こういう関係になってから来るの初めてで違う場所みたいに感じる』

って、少し本音が見えて






「緊張します？」


『ちょっとだけ…』


「僕も昨日とか今日の朝そんな感じでした」








同じ気持ちだってことが、嬉しくて堪らない。














そんなに材料もないし、買い出しにも行けないからってデリバリーを頼むことにしたけど


こういう受け取りの時ですら何も話さずに奥で息を潜めていて





本当に色々考えてくれているんだなって、改めて感じる















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