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どこかで見たことがある顔…
「俺のこと、覚えてませんか」
そう言ってニコッと笑う男の子
『あ、そういえば』
消しゴムの子だ、きっと
笑顔が、あの時と同じ気がする
「思い出してくれましたか?」
『あ、はい』
「よかった〜」
やっぱりあの時と同じ笑顔だ
私に何の用だろう
消しゴム、返しに来たのかな?
なんて考えている時、学校中に授業開始を知らせるチャイムが鳴り響く
『行かないと、』
早く!と急かす友達について行く
「何組ですか!」
これだけ最後に!とでも言うように、そんな質問を投げかける
『2組』
私も慌てて答えた
「ありがとう!」
ニカッと、あの時と同じような顔で笑ったその子は、私が渡り廊下の終わりに近づく頃はまだ、そこに立っていた
渡り廊下から校舎に入り、階段を登った時にはもう、男の子の姿は見えなかったけど
あの子、絶対遅刻だよね…
なんだかいつも慌ただしい人だ
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作者名:檸檬 | 作成日時:2020年4月7日 23時