If...

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｢おはよ、｣


『お、おはよう』





出来るだけ平然を装ってみるけど、、自分でも分かりやすいなぁと思う









｢乗って｣



ヘルメットを私に投げて、バイクの椅子をポンポンと叩く壱馬









｢捕まって｣


そう言いながら私の手を掴み、自分のお腹に回す









ドキドキするから.....

ドキドキしちゃうから、こんな体勢したくないのに。








壱馬にも伝わってしまうくらい、ドキドキしてる









それなのに壱馬はやっぱり余裕で、




『...直人さんの嘘つき』









嘘だよ、






流れでのキスじゃなかったら、

きちんと気持ちのあるキスだったら



こんなに余裕じゃないでしょう？









私ばっかりはしゃいで、ドキドキして

...馬鹿みたい









馬鹿みたいって思っても、

期待しちゃいけないって分かってても、



...叶わない恋だって思ってても。









壱馬を好きなことをやめられないのは、


今目の前にあるこの背中が大好きで。






笑顔や、仲間思いな所とか、

全部が大好きで、


もう自分じゃどうしようもないからだ











せめて、この気持ちを伝えられたらいいのに








困らせちゃうんじゃないか、って思うのと、


告白して振られたらもう今の距離ですら居られなくなっちゃうんじゃないか、って




.....そう思うと、伝えたくても伝えられない









壱馬のお腹に回している手に、少しだけ力を込めた




届け、だなんて思いながら









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