If...

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｢うーん、何から話す？｣


｢取り敢えず、名前は？｣






そういえばまだ名乗っていなかった



『Aです』


｢Aね、了解｣









｢俺は、壱馬｣



さっき助けてくれた人は壱馬、という名前らしい






｢こっちは、慎｣



出迎えてくれた人は慎、という名前だと壱馬さんが紹介してくれた









『壱馬さんと、慎さん』


｢呼び捨てでいいよ、これから毎回さん付けは面倒だし｣





これから...？

今日で最初で最後じゃないの？









｢ここは、まぁ俺らの溜まり場？みたいな｣


｢おい、溜まり場言うな！｣






奥からそう言ったのは、


｢あの人は直人さん。それで、ここは直人さんの家｣








ペコッとすると、笑顔でペコッとし返してくれた


直人さんは怖い人じゃなさそうだ









｢ほら、飲んで｣


『ありがとうございます』


｢敬語もなしでいいから｣


『あ、ありがとう』





２人とも、見た目は超チャラそうで怖そうだけど...いい人なのかな？


助けてくれたし、おまけに飲み物まで貰っちゃったし

悪い人ではないだろう









｢A、門限は？｣


『特にないです、親は２人とも遅いので』


｢そっか｣









｢じゃあ一応話しとく、｣





壱馬が話してくれたのは、

さっきの人たちはやっぱり悪い人で、壱馬たちの敵であるということ。




それと、壱馬と一緒に居るところを見られてしまった以上、これから追われる可能性があること。









｢ごめん、巻き込んじゃって｣




違う、謝られる筋合いなんてない

寧ろ私はお礼を言わなければならない立場なのに。









この時の私はまだ、この " ごめん " の意味を理解出来ていなかった









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