If...

２５. ページ26

・









こんな状況に置かれてまで、


いつもの光樹くんの表情だと感じてしまう私はおかしいのだろうか








｢ごめんね、｣



そう言った時の光樹くんの表情が頭から離れない







光樹くんに連れられてここに来たけど、

私にはまだ、光樹くんが本当に悪い人だとは思えなかった









『あ、携帯...』



携帯を持っていたことに気付き、
壱馬たちに助けを求めようとした丁度その時、倉庫の扉が開いた









入ってきた光樹くんは、


｢ムダなことはしない方がいいよ｣

と言った








光樹くんがこっそり指を差す方向には、
監視カメラがあった






｢他にもこの部屋には４つあるから｣









何をしてもすぐにバレるんだ







壱馬たちに ｢助けに来て｣ って、

前みたいには言えないんだ




そのことが、私を一層不安にさせた









｢時が来るまでここで待ってろ、だって｣




"時" って何？


これから何が起こるの？









窓もない、光もない


薄暗くて、少し狭いこの部屋は、




ここに居るだけでゾクゾクする









｢ごめんね、｣


『...光樹くん』






その表情は、本当の光樹くんだよね、


この表情が、本当の光樹くんなんだよね？









本当だったら、



光樹くんと２人の方が怖く感じるはずなのに

何故か、さっきまでの１人の状態よりも怖くは感じなかった









・

２６.→←２４.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す