蛇39匹 ページ44
転弧君は顔を俯かせたまま私に聞いてきた。
「何でそんなこと言うの? 俺、お前になんかしたか? やっぱり俺といるのは嫌か? なぁ、何でだよ」
「違う、違うんだ。そうじゃなくて」
「じゃぁ何なんだよ!?」
叫ぶと彼は私に一気に近づき片手で私の首を掴んだ。
「!!?」
「どうせお前もいなくなるんだ。」
首に痛みが走った。
自分の首が少しずつ崩れていくのがわかった。
違う。違うんだ
君は何も悪くないのに、悪いのは私なのに。
私は首を掴んでいる手に自分の手を添えた。
「っ!」
その事に驚いたのか力が緩み私の体は崩れ落ちた
ぱりぱりと自分の首が再生していく音がした。
あぁ、やっぱり私は化け物なんだよ。
「違うんだ。君のせいじゃない。私の私のせいだから、君はこんな化け物と一緒にいちゃいけないんだよ。」
「は?」
涙が溢れてきた。父に言われた言葉が頭の中で繰り返される。
「何でそんなこと思うんだよ。化け物なんて、だれがいったんだよ。」
誰が言ったなんて、数えきれない人に言われてきたんだ。
もう私は化け物なんだって思うしかないだろ?
「化け物と一緒にいたら、君が不幸になっちゃうよ。だから」
「俺は化け物なんて思わないね」
「!?」
そう言うと転弧君は私のお面と目隠しを思いっきり引っ張った。
「!?何して、」
そんなことしたら、っ!
直ぐに目を瞑ろうとしたが遅くて
気付いたら目が、合っていた。
「ほら、化け物なんかじゃない。お前はこんなに綺麗だ」
目があってるのに、
私の気持ち悪い目を見てるのに。
転弧君に何も起こらない事よりも
私を見て、綺麗だと微笑んでくれた彼に驚いた。
初めて言われたその言葉に
涙が溢れた。
「っ!!、」
声も出せずにぼろぼろ涙を流している私を彼は包むように抱き締めた。
「大丈夫だ、お前は化け物なんかじゃない。俺が保証してやるよ。」
化け物なんかじゃない。
ずっと誰かに言ってほしかった言葉。
なぜだかわからない。でも、
言葉なんかじゃ表せないような思いで胸が苦しくて、どこか嬉しかった。
私が個性が出て初めてお面を人の前で外して見た世界は
きらきらして
眩しくて
とても綺麗だった。
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ヒュウガ - 号泣しました。とてもいいストーリーだと思いました。これからも頑張ってください (2021年8月12日 23時) (
レス) id: 880b49d988 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹(プロフ) - メデューサ…！神より美しいと自称してしまったが故に神によって醜く変えられた女性…！面白いチョイスですね…私は神話だとヘーラー様とアテナ様が好きですな！アプロディーテ様もお美しいと聞く故興味はあるんですけどね (2018年4月30日 11時) (レス) id: 113dea87ba (このIDを非表示/違反報告)
ルート√0(プロフ) - クロりんごさん» ありがとうございます!更新が遅くてすみません!楽しみに待っていてくれる方のためにも早く更新出来るよう頑張ります。アンケートにご協力頂きありがとうございます!これからも宜しくお願いします!! (2017年11月2日 15時) (レス) id: b17e63cd1b (このIDを非表示/違反報告)
優希 - こんにちは。アンケートの事ですが、爆豪君がいいです。このお話好きなのでいつも楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (2017年11月1日 23時) (レス) id: 24f779a78f (このIDを非表示/違反報告)
ルート√0(プロフ) - クロりんごさん» かしこまりました!轟くんですね!アンケートにご協力してくださりありがとうございます!! (2017年10月29日 22時) (レス) id: b17e63cd1b (このIDを非表示/違反報告)
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