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結局、どのくらいそうしていたのか分からない。

章大さんは、私を慰めることはせずに
ただ私を強く抱きしめたままでいてくれた。



涙は止まったというより、枯れてしまったという方が正しい。

きっと体中の水分が全部涙になって出て行ってしまったんだ。


少しずつ呼吸を整えていく私の背中を
章大さんは労わるみたいに何度も掌で摩ってくれた。



本当に、これが最後だ。


章大さんに抱きしめられるのも、章大さんを「章大さん」と呼べるのも、

この人が私を恋人として扱ってくれるのも、何もかも。



「章大さん」


「…ん?」



もう呼べなくなってしまう名前を呼んだら
章大さんはひどいくらい優しい顔で私を見つめるから



「好き。本当に、大好き」



愛を伝えるにはあまりにも稚拙な言葉が
歯止めがきかなくなったみたいに唇から漏れた。



簡単に好きだなんて言えなかった。

この人に重たいと思われるのが、要らないと思われるのが何よりも怖かった。



私の言葉に、章大さんはその目を大きく見開いたけれど
ゆっくりとその目が細められたと思ったら
瞳がゆらりと波打って、初めて章大さんが涙ぐんでいることに気付いた。



海みたいだ、と思った。


青くなんてない、真っ黒な丸い瞳が
私には深い深い海に見えたんだ。



その海に、溺れてしまえればよかった。

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茜音(プロフ) - クラゲさん» ここが切なさのピークですね、、、そう言っていただけて嬉しいです(笑)!ここからは徐々に息ができるようになっていくはずなので(笑)、あと少しどうかお付き合いください! (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - M Mさん» コメントも評価もありがとうございます!一人ひとりの評価は確認できないのでどうなっているかわたしにも分からないのですが、高評価しようと思ってくださっただけで嬉しいです!パート6にも是非遊びにきてくださいね! (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - 蒼乃碧さん» コメントありがとうございます!人を好きになるのもそうじゃなくなるのも複雑で、意外と簡単だなーと思うのでそれを意識しながら書いています。描写しつこくないかな?と思いながら書いているのでそう言っていただけて嬉しいです。あと少しお付き合いくださいね(^^) (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - 516516516tさん» 大倉くんほんっとうにここまでよく頑張ってくれました、、(;_;)泣くほど感情移入してくださって嬉しいです(;_;)ヒロインのために帰ったというよりはヒロインの答えを聞くのが怖くてその場から去ったという方が正しいかもです。あと少しお付き合いくださいね! (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ(プロフ) - ただただ切ないですね、、、本当に読んでいるこっちが息もできないです、なんちゃって(笑)どういうエンディングになるのかとても楽しみです更新頑張ってください応援しています。 (2018年10月31日 20時) (レス) id: 391c1a10c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茜音 | 作成日時:2018年10月1日 0時

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