８７ ページ27
・
私に丁寧に布団をかけてくれながら、
「Aちゃん、お腹すいてない？
すいてるんやったらなんか買ってこよか？」
何度もそうやって気にかけてくれる章大さん。
「ここにいてくれるだけで十分です」
素直にそう伝えたら、章大さんは照れくさそうにはにかんだ。
「薬は飲んだ？」
「はい」
「そっかそっか」
ベッドの脇に肘をついて
いい子いい子、って私の頭を撫でてくれる章大さんは
香水に交じってまだほんのり外の冷たい匂いがする。
章大さんはいつも、いろいろなにおいを纏っている。
私が一番好きなのは
シトラスとフローラルの、甘い匂い。
その匂いが残っていると、章大さんを思い出さずにはいられないくらい
章大さんにぴったりの香水だ。
とても香水が好きでいつくも持っているけれど
それはその中でもお気に入りのものだと
いつか教えてくれた。
身に着けているスーツもそうだけれど
しっかりセットされている髪も、袖から覗くシルバーの腕時計も
章大さんはいつも通りの「オン」の状態で、相変わらずかっこよくて
手櫛で整えただけの髪に、すっぴんでパジャマの自分が恥ずかしくなった。
そんな無防備な自分を見られたくなくて、今更ながら布団で目より下の部分を隠したら「ふふっ」って章大さんが笑った。
「なんで隠れんの〜？」
甘やかすような話し方で、私の前髪を指先でかき分ける章大さん。
「なんか、恥ずかしい・・・」
ふるふると首を横に振ったら、章大さんは「何がよ〜」って不思議そうに首を傾げた。
その状態でしばらく見つめあっていたら、章大さんが不意に気が緩んだみたいに微笑んだ。
「Aちゃん、すっぴんやとなんか幼いな」
それは、化粧をしていないと顔が薄いという意味だろうかなんてもやっとしたのも束の間
章大さんの笑顔がぐっと近づいてきて
「かわいい」
とっておきの低くてかすれた声でそう囁いたから
真っ赤になった頬を布団で隠すしかなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
茜音(プロフ) - あおゆさん» ありがとうございます（ ; ; ）楽しく思うようにお話をかけたら一番なんですけどね（ ; ; ）そう言っていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2018年2月25日 0時) (
レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - shakexshakeさん» コメントありがとうございます（ ; ; ）書きたいお話と書いてるお話が噛み合わなくなってしまうとよくスランプに陥ります（ ; ; ）そう言っていただけるとほっとします。 (2018年2月24日 14時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - こあさん» 基本的にお話は全部パソコンで書いてストックしてます、、！！お身体大丈夫ですか？（ ; ; ）大倉くんや安田さんが夢の中だけでもこあさんを看病しにきてくれるのを願ってます、、！！お大事になさってくださいね（ ; ; ） (2018年2月24日 14時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - えぬさん» ありがとうございます！！お待たせしました、、！！頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (2018年2月24日 14時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
あおゆ(プロフ) - 気持ちわかります…泣。茜音さんの作品好きです！頑張ってください！ (2018年2月23日 1時) (レス) id: f382f4c586 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茜音
| 作成日時：2017年11月26日 23時
