少しの勇気

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「もー！いい加減起きろよ酔っ払い！！」

タクシーで藤ヶ谷の住むマンションの前まで来たはいいが相手は寝ているので部屋まで連れて行かなきゃならない


自分よりスラッとはしていても、悲しいかな身長差のおかげでかなり重く感じる藤ヶ谷を担いで、何とか藤ヶ谷が住むマンションの部屋の前までたどり着く


「起きねぇし…鍵どこですかー勝手に漁りますよー」

全く起きる気配を感じさせないほど気持ち良さそうに寝てる藤ヶ谷の着ている服のポケットやカバンを漁る


「おっ！あった…」



「…勝手に入りますよー…」


寝てる相手の部屋に何も言わず勝手に入る事に多少なりとも抵抗を感じて、意味もないのに小さい声で呟きながら入る


1度だけメンバー全員で藤ヶ谷の家に集まった事があったから、寝室の場所は覚えてた

ぼすっ

「はーー重かった！」

ベッドの上に少し雑に寝かせる


「俺はもう帰るからなー明日感謝しろよー」

何度目か分からない独り言を呟いて、その場から離れようとした時ーー

ぐいっ

「うわぁっ！………ぃったーーおい！何すんだよ！」


「きたぁまが帰ろーとすんのが悪いんれしょー！」

藤ヶ谷に急に腕を引っ張られて俺もベッドにダイブした

「まだ酔ってんのかよこの酔っ払い！早く寝ろ」



「離せって…おい聞いてんのかよ……って何してんだよ！」


「きたぁーまが帰んないよーに抱きついてるー！」

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