《2》春雨第７師団は今日も、、、平和じゃないようです

４７話　〜神嬉〜 ページ12

〜前日の夜〜



その日は満月だった。



私は皆が寝静まった今、屯所を抜け出そうとしている。



姉さんの所に行くために。



歩く度に板が軋んでギシギシと音が鳴る。



此処にはもう戻るつもりなんかない。



そう覚悟を決めていた。



すると後ろから声をかけられる。



「何処に行こうとしてんでィ」



声に振り返ると沖田隊長がいた。



嬉「……ちょっと散歩に行こうかなと。」



沖「……俺もついて行きまさァ」



嬉「結構です」



面倒臭い。



早く行きたいのに……



嬉「早く行きたいんですけど……」



沖「……本当は散歩なんかじゃねェんだろィ？この紙に全て書いてあった。」



嬉「!」



ヒラヒラと見せてくるのは姉さんから貰った計画の記された紙だった。



嬉「……返して。」



沖「あ？イヤでィ。」



ハッキリと断られる。



沖「春雨ってあの宇宙海賊だろィ。そんなん相手にしたら死ぬぞてめェ」



嬉「私の勝手でしょ。隊長には関係ない。」



このサディスティック星の王子が人の心配とか何なんだ一体。



嬉「それに私は復讐なんて興味無い。私はただ姉さんが笑ってくれれば……」



しばらく沈黙が続いた。



すると、隊長が口を開いた。



沖「……そんなに行きてェのか？」



嬉「はい。」



沖「じゃあ１つ約束してくれねェか？」



嬉「……分かった」









沖「………じゃあ絶対、生きて新選組に戻って来やがれ。神嬉。」

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