正直な気持ち side you ページ31
A「あのね、私達が別れた日からずっと考えてたの。正直すごく辛かったし、今でもあんな経験はもうしたくないって思うし。
でも、あの日も、その前も、今も、ドンヘが好きなのは変わらないんだ。」
DH「うん。」
しっかりと目を見て話を聞いてくれるドンヘ。
そんな真剣な顔すらも大好きで、見惚れてしまいそうになる。
A「でも、ママが死んじゃって、お父さんも居なくなった事を知ってるドンヘが、どうしてあんな事をしたのかどうしても分からなくて…自分の中でずーっと気持ちのバランスが取れなかったの。」
DH「その事は、本当にごめんな。」
A「でもね、最近ドンヘが私に気持ちをぶつけてくれるでしょ？それがすごく嬉しいし、私の心が満たされていくのが分かったの。なのにずーっと素直になれなかった。それで、この前のヒマワリ畑。そこでゆっくり自分の気持ちを整理してたんだ。」
DH「そうだったんだ…」
A「そこで、夢にママが出てきてさ、“相手が素直にしてきたら、Aも素直にならなきゃ相手に失礼でしょ？”って。それで、いつまでも意地はってちゃダメだって思えて、前に進もうって思ったの。」
気持ちは全部言った。後は、もう一言、気持ちを言うだけ。
別れてからの事を思い返したら、今まで何してたんだろって思えた。
こんなに素直になる事で気持ちが楽になるなら、もっと早くからしておけば良かったって。
そうすれば、オッパ達にだって、ソユにも心配かけなかっただろうし…
A「ドンヘ…あのね、私と」
RRRRRR
すると、タイミング悪くドンヘのスマホが激しく鳴った。
DH「あっ…」
A「あっ…えーっと…出て？」
DH「ごめん…」
本当にゴメンという表情で急いで出た電話。
すると受話器越しに聞こえてきた女の人の声。
DH「ガユン？落ち着け？………分かった。すぐ向かうから」
もう、心臓が今までにないくらいの速さと大きさで身体中を振動させた。
頭がうまく働かない。
受話器越しの女の人の声だけが頭の中で響いた。
DH「ごめん…A…」
そう言って、お店から出て行ってしまった。
また、同じ事をするの？
今から私が言う事、ドンヘは分かってたでしょ？
もう、次はないよ…
耐えられないや…
好きだよ。
でも、辛くて、痛いよ……
涙で視界が歪んでいた。
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作者名：shino | 作成日時：2017年2月14日 11時
