夜が明ける頃に。 (ページ2)

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違うページ2

「おはよう、エックス。」
「....」
間接照明の部屋の一室のベッドの上で、少年は目を覚ました。視界はまだぼやけてよく見えない。頭も働かない状態だった。
「まだボーッとするかな？無理もないね。」
少年に話しかける男は、にこにこと笑いながら少年の頭のあほ毛のような髪をさわる。少しくすぐったい。
「おはよう。エックス。」
「...エックス？」
「君の名前だ。私がつけたんだよ。」
かっこいい名前でしょ、とへらへら笑う男はエックスにずっと明るく笑いかけている。
「そして、私は君の父親だよ。お父さんだ。」
「...お父さん？」
「そうだよ。そして君は、今日から人なんだよ。」
名前、父親、人。よくわからないワードばかりが出てくる。頭がついてこない。
「今日はゆっくりするといいよ。時期にお前は他と同じになる。」
「...？」

数ヶ月後から、『子供』がたくさんいる『学校』に通うことになった。だがエックスにはどうも合わなかった。

(...一体どこが違うんだ..？)
鏡の前に写る自分を睨んでいるエックスは、今日『子供』に言われたことを思い出していた。
「自分達と違うから_______」
(何処が？)
込み上げてくる不思議な感覚を抑えながらエックスは鏡を睨んで考えた。確かに、他と違う部分はたくさんある。身長、髪色、口調..そして何よりも、明らかに違う事が合った。
(****...)
前に地下室で父の手伝いをしていた時の事。広い地下室の奥の部屋の机に置いてあった資料を見て、自分は他と違うと知った。しっかりと、確実に。
「......」

「なぁ、オイラは一体人と何処が違うんだ？」
「例え人と違くても、気にしなくっていいんだよ。」