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『 すぐに帰れそうにないや。寄り道するか 』
取り敢えず頭を冷やしてちゃんと謝ろう、とは思っているが姉の事に関しては口に出したくなかった。
売店で売っていた飲み物を買えば、キンキンに冷えた飲み物をおでこにへと当てて先程まで無意識に言葉にしてしまった事実を後悔する。
上手くいかないなぁ、なんて思いながら一通りの少ない所を歩いていれば、選手用入口のはずなのに小さな子供が蹲っているのが目に見えた。
｢ ひっく…えっく、 ｣
『 …どーしたの？迷子になっちゃった？ 』
｢ おかあさん、ひっく…さがしてたら、ぼく、みちわかんなくなっちゃって、うわあああん！！！！！！ ｣
『 そっかそっか。お母さん探しに行こうとしたの偉いね。よしよし 』
｢ うん、…っ、ひっく、 ｣
『 お姉さんとお母さん探しに行こっか。こう見えてお姉さん何でもここの関係者だからね。 』
｢ うん、！お姉さんと探す…！ ｣
じゃあ立ってあっちに行こうか、と迷子の男の子に手を差し伸べれば小さい手が私の手の中にすぽっと収まった。
｢ おかあさんどこかな、 ｣と呟く男の子が無意識にも昔の自分と重なっていた。
『 お母さんはどんな服着てたかな？ 』
｢ おかあさんはね、パンみたいないろのふくきてる！あとしろいかばん！ ｣
『 お母さんの事が好きなのね。 』
｢ うん！｣
私も昔、お姉ちゃんと迷子になった事があった。両親を探すのに2人で手を繋いで、お姉ちゃんが先導して大人の人に聞き回ったのを覚えている。
私にとってはお姉ちゃんはかけがえのない存在で、こうやって手を繋いでいつも帰っていたと思うと寂寞感が募る。
暫く感傷に浸っていれば、ねえねえ！と男の子が話し掛けてるのに気がついた。
『 どうしたの？ 』
｢ おねえさんはヒーローになりたいの？ ｣
『 え？ 』
｢ だっておねえさん、ぼくのことたすけてくれたから ｣
『 ───────…ぁ、ぃや、 』
｢ おかあさんだ……！！！おねえさんありがとう！！ ｣
バイバイと手を振る男の子に対して振り返せばその奥にいるお母さんらしき人物もぺこぺことお辞儀をしてくれた。
人を助けるなんて当たり前、だけどヒーローになりたいのなんて言われた時、私は否定も肯定もできなかった。
( 私は音楽しか興味はないのに。 )
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MR - 一気見してしまいました！ (1月9日 17時) (
レス) @page30 id: 4d66bde2ec (このIDを非表示/違反報告)
48 - とても面白いです！更新お待ちしております！ (8月2日 8時) (レス) id: 7ea788b5a6 (このIDを非表示/違反報告)
雪モチ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！更新待ってます！ (7月16日 10時) (レス) @page30 id: cd96ca08d9 (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 続き待ってます！！ (7月2日 15時) (レス) id: 2aa5ee0a9a (このIDを非表示/違反報告)
tukina0123(プロフ) - とても面白く一気に見てしまいました!! ゆっくり続きを待っています!! (2022年12月21日 14時) (レス) id: 9f8c517d0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 x他1人 | 作成日時：2021年11月6日 19時
