episode 133 誰よりも ページ33
※ｼﾞﾌﾝside
「私たち、、別れよう、」
俺がこの世で一番聞きたくなかった言葉。
罰が当たったんだ。
狡くて卑怯なのはテヒョン先輩じゃなくて、俺の方だから。
大好きなヌナ、、、俺が誰よりも欲しがったものは俺の手からすり抜けていく。
そんなの嫌だ、、、ヌナっ、、、離れないで、、
これからもずっと一緒に居てくれるって。
約束したのに、、、
気がつくと、俺はヌナの口を塞いで押し倒していた。
ｼﾞﾌﾝ「ヌナっ、、嫌だよ、、側にいてよっ、、こんなに、、、愛してるのに、、」
無我夢中でヌナにキスをして体に触るけど、ヌナの泣きそうな顔に手が止まって。
俺はなんてバカなことを、、、
独りよがりな想いを押し付けて、また相手も自分も傷つけてしまう。
ヌナに覆い被さったままどうしようもなく流れた涙を拭うことも出来ずに、ただ泣いて。
ルカ「、、ジフニ、私も愛してたよ、、ジフニに励まされて何度も救われた、、、っでも、、ごめんなさい、、」
涙で滲むヌナの瞳に胸が苦しくなる。
あんなに泣かせないって誓ったのに、、それを自分が破ってしまった。
もう、、、元に戻れないんだね、、何もかも、俺のせいだ。
ｼﾞﾌﾝ「、っヌナ、、ヌナっ、、！、」
それでも往生際の悪い俺は、名残り惜しくヌナの温もりを刻むように力一杯抱きしめた。
でもいつもみたいにヌナがそれに応えてくれることはない。
それが全て。それが答え。
ルカ「愛してくれてありがとう、、ジフニ、、私、、幸せだった、」
大切にしてきた今は終わりを告げて、過去に変わる。
ｼﾞﾌﾝ「、っ俺も、、愛してる、、さよなら、、っ、、」
ヌナの部屋の合鍵を置いて出て行った後。
誰も追いかけてくるはずがないのに、後ろを振り返りながら帰った。
俺の泣き顔を隠すように雨が降ってきた。
ヌナと初めて出掛けた時もこんな雨だったね。
「，，ヒョン！、」
ずぶ濡れで帰った宿舎で、アサヒが寝ないで待っていた。
ｱｻﾋ「風邪ひくよ？、、、ねぇ、ヌナと何があったの？」
堪らなくてアサヒに全部話した。軽蔑されるかもしれないけど。
なのに、
ｱｻﾋ「、、ヒョンは、、頑張ったんだね。」
ｼﾞﾌﾝ「、、っサヒヤ、、俺っ、、、大好きだったんだっ、、ヌナのことが、、」
優しいアサヒの言葉に触れて。
また涙が止まらなかった。
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作者名：Apple | 作成日時：2022年11月8日 23時
