episode 116 傷ついたのは ページ16
何で？、、どうしてここに彼らが居るんだろう。
焦る心を抑えてジフンの手を必死に握って反対方向へ向かおうとした瞬間。
「、、っルカ！！、」
久しぶりに聞いた貴方の声。
必死に私の名前を呼ぶ、、、愛おしかった声。
その声を聞いてしまって、思わず足が止まる。
振り返ることも出来ずに、ただジフンの手を掴んだまま。
テヒョンの声に、他のメンバーたちも反応して私たちの所へ近づいてくるけど。
俯いたまま、どうすることも思考能力も停止してしまった。
ﾕﾝｷﾞ「ルカ、、、お前、、何やってんの？、」
ｼﾞｮﾝｸﾞｸ「、、っ、、何でここに？、」
７人と私たち２人の間に微妙な空気が流れて、それを割ったのはジフンだった。
ｼﾞﾌﾝ「先輩方こんにちは＾＾ 見ての通りデートですけど、、、俺のヌナに何かご用ですか？」
わざとらしく私の体を引き寄せて、見せつけるような態度で。
まるでテヒョンを、、彼らを挑発してるみたいに。
ﾃﾋｮﾝ「、っお前っ、、！、」
ﾅﾑｼﾞｭﾝ「ちょっと待て！、、ここじゃ人目がある、、、ルカ、、元気そうで安心したよ、、でも、、突然ルカが居なくなって俺たち本当に心配してたんだよ。それはわかってくれるよね？、」
そう言って仲裁に入ろうとしてくれるナムジュンだけど、目は笑ってなんかない。
それにテヒョンの発した声に彼らの近くにいる人たちが反応して近寄ってくる。
これ以上ここ居てはいけない、、、そう思った。
ルカ「皆さん、、、迷惑かけてごめんなさい。だからもう、、私のことは忘れてください、、」
振り絞って出た言葉は、感情なんてこもってないテンプレみたいな言葉。
もう、、、今すぐこの場から消えてしまいたい。
そんな無責任で狡いことを考えてしまった。
ﾃﾋｮﾝ「、、俺はそんなの許さない、、、戻ってきてよルカ！っ、、、そんな簡単に、、忘れるなんて出来ない、、、っ、、」
そう言って、私の腕を掴もうとするテヒョンの腕を払い除けたのもジフンだった。
ｼﾞﾌﾝ「今更何言ってるんですか先輩、、、もう遅いんですよ、、ヌナは俺を選んだんです、、ねぇヌナ？、、」
ジフンはそう言うと、繋いでる指を絡ませる。
その様子を見てるテヒョンは寂しそうな、傷ついたような瞳で私を見つめた。
テヒョン、、、そんな瞳で私を見ないでよ、、、
沢山泣いたのは、私の方なのに・・・
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作者名：Apple | 作成日時：2022年11月8日 23時
