episode 67 近づく距離 ページ17
ぼーっとする頭を抱えながら、また反対方面の電車に揺られる。
帰りたくなかった。
今テヒョンの顔を見るのは辛すぎる。
ちゃんと話を聞かなきゃいけない、あの女の人の話だけを鵜呑みにしてしまってはいけないってわかってるけど。
ほんの少し感じていた違和感が、全部裏切りのように思えてしまって・・・
車窓に映る自分の泣き顔が酷すぎて嫌になる。
ルカ「、、何やってんだろ、私、、」
フラフラの体を引き摺って改札を出る。
「ヌナっ!!」
人目もはばからず抱きしめる体に目の前が見えなくなる。
ルカ「、、ごめんね、ジフニ・・・迷惑かけて、」
ジフン「大丈夫だよヌナ、、取り敢えず宿舎おいでよ、」
そう言ってジフンは私の手を握って歩いた。
冷たい指先が、ジフンの温かい手の中でじんわり溶けてくみたい。
黙り込む私に何も聞かないまま、ただ手を繋いで宿舎に向かった。
ルカ「お邪魔します・・・」
ジフン「どうぞ^^ もう皆休んでるから、俺の部屋行こ?」
手を繋いだまま部屋に案内してくれるジフン。
ジフン「何があったか聞いてもいい?、、」
私はさっきあった出来事を全て話した。
勿論、対象人物の名前も立場も隠して。
順を追って冷静に話すと、あの女の人とテヒョンが一緒に並んでる光景を想像してしまって、一人で勝手に悲しくなる。
[テヒョンの前から消えて、]
あの人の心の叫びは時間が経ってもなお、胸に突き刺さってる。
ジフン「、、酷いねその人、、悪いけどヌナの彼氏も酷いよ。結局ヌナに隠れて会ってたってことでしょ?、ちゃんとした理由があれば隠す事ないと思うけど・・・」
ルカ「・・・そう、だね、、」
下を向いたままの私の背中をさすってくれるジフン。
今日はジフンに甘えてばっかりになってしまった。
ルカ「ごめんね、、こんな話・・・ジフニには関係ないのに、、」
ジフン「関係なくないって!、、ヌナの事知りたいし、少しでも力になりたいんだ、」
そう言って黒目がちなジフンの視線は私を捉えて離さない。
気がつけば二人の間の距離はなくなって、キスをした。
ジフン「帰りたくないなら、ここに居なよ。俺ならヌナをこんなに悲しませたりしないのに、」
その夜は眠れるまでずっとジフンが抱きしめてくれた。
それなのに、考えたくないのにテヒョンの顔が浮かんでは消えてを繰り返してる。
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星空(プロフ) - 続きが楽しみです!テヒョンさんとミジョン?の関係がどうなるかがすごく気になります!! (2022年10月5日 16時) (レス) @page25 id: d8561d62a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Apple | 作成日時:2022年9月2日 0時