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「1粒あげます」
いつもよりほんの弱冠見開いた目の観音坂さんにもこの美味しさを共有して欲しくてチョコを1粒手に取った
「お返しに買ってきたのに俺が食べちゃダメじゃないですか……」
またいつもの弱気な感じになりかけ始めてる観音坂さんにそんなことは知らぬとネクタイを引いた
「ちょっ」
一気に距離が近くなって、それこそ鼻と鼻が触れそうな距離
観音坂さんなにチョコを渡そうとしてもどうせ受け取らなさそうなのでそのまま口に押し付けた
少しあいた口の中にうまいことチョコレートを入れることができて満足してまた席についた
少し触れた観音坂さんの唇はちょっとかさついてて近づいてわかったけど相当栄養取ってない……
顔色をくわしく見るのにこの作戦は上手くいった
「……あ」
口元を抑えて窓口にもたれ掛かる観音坂さんにハッとした
満足したのはいいけど、正気に戻るとやっぱり自分ちょっと積極的なことをしすぎた
「ごめんなさい、嫌でしたよね……」
「いや……確信犯なんですかあなたは」
「はい?」
口を抑えて俯いて、ほんでもってぼそぼそ喋られると何言ってるか聞き取りづらい
何言ってるか聞こえねぇよ
「なんでもないです……あ、ありがとうございました」
「え、ちょっと!」
さっき引っ張ったせいでネクタイも歪んでるなにさらにふらついた観音坂さんは入口で入ってきたジジイにぶつかりかけながら出ていこうとした
……流石にこれは危ねぇだろ車に引かれるかもしれない
窓口の裏まで回ってる暇ないしなぁ……どうしよ
「Aちゃん、お薬お願いできるかな」
「今無理です」
客相手にさすがにやばいとは思ったけどさっき来た下心しかないジジイの一員の横を窓口を飛び越えて観音坂さんに向かって走った
昔ヒップホップやってたおかげで体は軽いまま、飛び越えることも容易だった
後ろの方でジジイが何か言ってる気がするけどそんなの今は知ったこっちゃねぇよ
自動ドアのボタンを連打して空いた瞬間また駆け出した
「……てぇなぁ!」
出た瞬間派手にこけて見れば膝から血が出始めたけど構わずに走った
「……観音坂さん!」
2分ぐらい走ってあとちょっとの距離に見える観音坂さんに大声で叫ぶけど彼には聞こえてなくてまだふらふら歩いてて
あと半歩先の十字路の角が駐車場になっててそこから角から爆走するトラックが見えた
なんとか間に合わせないと死ぬ……!
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失格人間。(プロフ) - おおわああああああぁぁぁ最高ですです!!更新頑張って下さい!!!!!! (2019年4月4日 12時) (レス) id: bb922c1436 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - むぎさん» コメントありがとうございます、わああ嬉しいです!!ない脳みそを絞りに絞ってネタ考えます、、今後も何卒あよろしくお願いします (2018年12月3日 12時) (レス) id: 16f3e8df7f (このIDを非表示/違反報告)
むぎ(プロフ) - あの…続編……早く読みたいです…めちゃくちゃ面白かったです!!!まじ独歩最高です! (2018年12月2日 23時) (レス) id: 3e1d248cd9 (このIDを非表示/違反報告)
ミレナ(プロフ) - まままさん» いえそんな!!楽しませてもらってます!!頑張って下さい!! (2018年8月27日 19時) (レス) id: 8824a387c8 (このIDを非表示/違反報告)
ままま(プロフ) - ミレナさん» コメントありがとうございます、私の語彙力が酷いもので申し訳ないです、楽しんでいただけたなら幸いです、今後も何卒よろしくお願いします (2018年8月27日 19時) (レス) id: 16f3e8df7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ままま | 作者ホームページ:󾮗
作成日時:2018年6月30日 12時