色は思案の外 - 2 - (ページ28)

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076：joichiro ページ28

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夕方からの仕事が終わって、家に戻ったのは深夜3時頃だった。

携帯に着信が入ってて掛け直すと、電話越しでめちゃくちゃ泣いてる声が聞こえた。

「え、どうしたん」

『…丈くん、』

「どこおるん今」

『…実家』

とりあえず話聞かなあかんと思って、夜中やけど家にAちゃんを呼び出した。

タクシーの中でも泣いてたのか、Aちゃんの顔は涙でぐしゃぐしゃで、落ち着いてもらおうと温かい飲みものとか出したけど、Aちゃんは泣き止まへんかった。

「せーや、…別れるって」

「………え、は？」

「むりって、…意味、わかんない」

え、ちょっと待って、別れる？

Aちゃんと？末澤が？

「なんでそんなことになったん、」

「…別れるまでのこと、したかなあ」

そう言ってまた泣き出すAちゃん。

なんで急にこんな話になってるん？

昨日言い合ってたのは俺らも見てたけど、そこまでのことではないと思った。

2人とも頭を冷やすために離れるのはいい決断やと思ってたのに。

「…ふたりは別れたらあかん」

「…別れたくないよ、…でも、もう無理かも、」

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