色は思案の外 - 2 - (ページ25)

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大橋さんは友達になろって笑いながら言ってくれて、重い感じにならなくて済んだ。

少し大橋さんと話をして、弟が帰ってきたみたいだったから電話を切った。

階段を下りるとお母さんが夕飯の支度をしていて、私もそれを手伝った。

「なんで仕事辞めたの？」

「ん〜…彼氏と同棲始めたから」

「でも辞める必要あったの？」

…ないと言えばない、という事になるかもしれない。

お母さんもお父さんもキャバクラの仕事をしていても何も言わずに応援してくれて、私がキャバ嬢という仕事が好きなのも理解してくれていた。

だから、お母さんは何も言わないけど、急に、何も言わずに辞めたことに驚いたのかもしれない。

28歳、そろそろ結婚や出産も視野に入れないといけない歳になってきて、焦っていた部分も正直ある。

誠也の仕事を考えるとまだまだ先のことだと思っていたけど、これからのことを考えたら今のタイミングがベストだと思った。

「A！電話！」

「え？ごめん今手汚れてるから待って」

「あれ、…切れてるわ」

弟が電話に出てくれたらしくて、手が汚れていた私はすぐに電話に出れなかった。

あとで確認すればいいかな。

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