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No.49:三次試験 ページ10

飛行船が降り立ったのは高い塔の天辺だった。先程縁に立って下を見おろしてみて分かったのは、ここから下までかなりの高さがあるという事。

こんな所に連れてきて、一体何をさせようというのか。

集められた受験生の中にも僕と同じような疑問を持った人もいたらしく、そんな声が周りから聞こえてきた。


「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです」


その問いに答えるようにマーメンさんが口を開いた。

彼が言うにはここは三次試験のスタート地点で、72時間以内に、この塔を生きて下まで降りることが試験内容なのだとか。

僕たちにそれだけ伝えて、彼はまた飛行船に乗り込んだ。


「それではスタート!
頑張ってくださいね」


飛び立った飛行船のスピーカーから聞こえた開始の合図で、皆それぞれ動き出した。

中でも真っ先に動いたのが86番の番号札をつけた、一流のロッククライマーだと名乗る男だ。

彼は塔の側面をつたって降りるようだ。


「うわ、すげー」

「もうあんなに降りてる」

「自分で一流とか言うだけはあるね……」


その様子を僕もゴンとキルアと一緒に眺めながら、ふとある考えが頭に浮かんだ。

86番の様にただ壁を降りるだけの試験なら、何もこんな塔でなくてもやれる。

マーメンさんがここをトリックタワーと呼ぶからには、それなりの仕掛けがあるに違いない。


「あっ、キルア、A!あれ見て!」


なんてことを考えてるとき、ゴンが急に声をあげたから、一旦考えるのを中断した。彼の声につられて彼の指差す方向を見ると、向こうから怪鳥の群れがやってきてるのが見えた。

その鳥たちはすぐに壁を降りている86番に狙いを定めて襲いかかる。


「うわぁぁぁ!!」


そして、あっという間に彼は食べられてしまった。人間の死体は見慣れているとは言え、流石に目の前で人が食べられるのを見て、いい気分ではいられなかった。

その光景を見ていたゴンとキルアと少しの間顔を見合わせて、僕は口を開いた。


「……やっぱり、何処かに下に降りる為の扉がありそうだね」

「そうだな。ゴン、A、探すぞ!」


その言葉を合図に周りも見ながらしばらく探していると、偶然とある受験生が扉を使って下に降りるのを目撃した。

すぐにそこを確認したけれど、もう下からロックされた後だった。どうやら一つの扉に対して一人だけ降りれるらしい。

そして、運の良いことに僕ら三人は6つの扉を見つけることができた。

ここからが試験の本番だ。

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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます! (2018年8月30日 15時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです!続き頑張ってください! (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω`*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか!それは嬉しい褒め言葉です(*´ω`*)自分でも話を考えてるときはワクワクします! (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです!更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω`*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えるふぃ | 作成日時:2016年3月27日 19時

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