No.78:ハンターライセンス ページ41
説明会の内容はこうだった。
ハンター試験に合格したものに配られたカード、
また、カードを持っているだけで公的施設の95%が無料で利用でき、売れば人生を7回くらい遊んで暮らせるお金が手に入る。
ただ、紛失した場合の再発行は行っていないとのこと。
今までに合格していった中の5人に1人は一年以内にカードを紛失しているそうだ。
それらを説明し終えた後、ハンター協会の規約の読み上げが行われ、説明会は終了した。
説明会が終わると同時に僕は部屋を飛び出した。ゴンと顔を合わせるのが気まずかったのと、試験が終了したという連絡を早く入れるために。
廊下に出て、迎えに来てくれる予定の執事にメールで試験会場の場所を告げると、5分以内に迎えにくると返信がきた。オルクス家からここまでは少なく見積もっても2時間はかかるはず。なのにすぐに迎えに来れるということはある程度この会場の場所に目星をつけていたのだろうか。
そのまま近くの柱に寄りかかり迎えを待っていると、そこへ今会いたく無い人物ランキング2位の男がやってきた。
「あれ、迎え待ち? 帰ったら君の両親によろしくね。」
相変わらずの無表情でそう告げるのは、ギタラクルだ。最終試験中に彼に対して抱いた苦手意識がまだ消えていないせいか、勝手に身体が後ずさるのを感じた。
当たり前のように話題に上がってくるオルクスの話に、改めて僕に記憶はないが彼は本当に僕を知っているんだなと思った。
「……もしかして、それ折れてる?」
「うん。 ちょっと仕事がしづらくなるから不便だよね。」
気まずさから視線を泳がせていると、ギタラクルの右腕が不自然に腫れていることに気付いた。それは先程ゴンが握っていた箇所で。
彼はゾルディック家の長男であるらしい。ゆえに任される仕事も、僕なんかよりずっと多いだろう。そんな彼に不便をかける原因が、僕の
「腕、出して。 僕が治すから。」
「いいの? 助かるなー。」
僕はこれから家に帰って、また仕事漬けの日々が始まる。だから今後ゴンに会うことは無いだろうが、仮にもハンター試験を共にした大事な存在に死んで欲しくは無い。不安な要素は出来るだけ消し去りたかった。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます! (2018年8月30日 15時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです!続き頑張ってください! (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω`*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか!それは嬉しい褒め言葉です(*´ω`*)自分でも話を考えてるときはワクワクします! (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです!更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω`*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えるふぃ | 作成日時:2016年3月27日 19時