No.71：兄貴 ページ33
第７試合はレオリオとボドロの試合予定だった。しかしボドロはヒソカとの試合で疲労していた上、相当な怪我も負っていた。それを理由にレオリオが試合の延期を要求し、先に第８試合の組み合わせ、キルアとギタラクルの試合が行われることとなった。
キルアの実力はハンター試験中側で見ていたから知っている。並の人間じゃあ彼の足元にも及ばない強さをもっている。
しかし僕はギタラクルが相当な実力を持っていることも知っていた。３次試験で彼の戦闘の様子を見たが、正直彼はキルアよりも強いとおもう。しかも全力を出さないままで。僕だって絶対彼に敵わないだろう。
まぁキルアだって馬鹿じゃない。少しギタラクルと手を合わせれば、相手の実力を見極められる。キルアは敵わないとわかったら無理せず引くことができる。その後レオリオかボドロと戦えばいい。
そんな考えが甘かったと思い知ったのは、キルアとギタラクルの試合が始まった直後。
「久しぶりだね、キル。」
キルアがギタラクルとの距離を詰めようと一歩前に踏み出したときギタラクルが口を開いた。不思議なことにその声は僕が３次試験の時に聞いた声とは全く違う。
ギタラクルはふいに名前を呼ばれて驚いているキルアをよそに、自身の顔に刺さったいくつもの針を抜き出した。全ての針が抜かれると、顔がボコボコと変形していき、最終的にそこに立っていたのは真っ直ぐ伸びた黒髪と一切の光も宿っていない暗い目を持った男が立っていた。
「あに、き……！！」
キルアはその男のことを兄貴と呼んだ。黒髪の男は髪の色からして全くキルアに似ていないが本当に兄なのだろう。
気になるのは自身の兄を前にして、キルアが冷や汗を浮かべていること。彼の様子から兄弟仲があまり良くないのだと悟った。
ギタラクル(変装していた様だから多分偽名)は周りの目など気に求めずにキルアと話し出す。自分は母親からキルアの様子を見てくる様に頼まれたのだと。その前に仕事上必要なハンターの資格をとりに来たら偶然キルアと出会って驚いたと。
キルアはギタラクルにハンターになりたいのか聞かれ、そうじゃないと答えた。なんとなく受けただけだと。
そんなキルアにギタラクルはなんの感情もこもっていない声色で淡々と告げた。
「お前はハンターに向かないよ。 お前の天職は殺し屋なんだから。」
ギタラクルはその後も一方的に話し続けた。彼の話す言葉が、僕の兄の言葉によく似ていて兄の顔がフラッシュバックした。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
