No.50：気配のしない人 ページ11
隠し扉を見つけた僕たち３人は、２人で立っているクラピカとレオリオにこの事を伝えに行った。
「レオリオ、クラピカ！
そこで隠し扉を見つけたよ」
周りの受験生に聞かれないように声を落として、ゴンが言う。
彼は２人を扉のあるところまで案内し、扉は一度しか使えないことを話した。同じところに密集して扉がある、ということはどれか一つが罠である可能性は十分にある。
そのことを考慮した上で、僕たちは扉を選んだ。
「１・２の３で全員行こうぜ。
ここでいったんお別れだ」
ゴン、キルア、クラピカ、そしてレオリオは密集した５つの扉の中の１つに。そして僕はそこからほんの少し離れた位置にある扉に入ることに決めた。
「じゃあ僕、一番下で待ってるね」
「よーし、じゃあどっちが先に着くか勝負な！」
皆と別れるのが少し寂しくてそんな冗談を言うと、キルアも笑って返してくれた。
ハンター試験がそんなに甘くはないだろうけど、出来れば皆とまた地上で会いたいと、切実に思う。
「それじゃ、地上で会おうぜ！」
そのレオリオの言葉を最後に、僕らは一斉に扉に飛び込んだ。
＊
僕が入った扉の中はとても薄暗く、目を凝らしてやっと辺りの様子が確認できた。何か罠が仕掛けてあるかもしれない、と辺りを見渡すと部屋の隅の方に人影が確認できた。
「っ、……君、誰！？」
おかしい。降りてきたときにも、人影を見つけた今も全く人の気配なんて感じられなかったのに。
ばっとそこから飛び退いて人影と距離をとる。いつ相手が襲い掛かってきても対応できるように感覚を研ぎ澄ませる。
そうしていると暗闇に馴れた目が、やっとその人影の姿をはっきりととらえた。
そこにいたのは、顔にも服にも黄色の針が刺さっている『３０１』と書かれた番号札をつけた男性。あの気配の消しかたはそう簡単に出来るものじゃない。この人も相当なやり手なはずだ。出来ればあまり相手にしたくはない。
出方を窺うようにじっと男性を見つめていると、彼はゆっくりとしたぎこちない動きで僕から見て左側の壁を指差す。
男性を警戒したまま壁の方を見ると、そこには何か文章が書いてあった。
「なに、これ……。協力の道？」
内容を要約すると、僕たちは２人そろってこのトリックタワーを出ないと失格になると言うことだった。
読み終えてもう一度、男性に向き直ると彼はもうすでに立ち上がって扉に向かっていた。
まずい、この人と協力なんて出来る気がしない。
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えるふぃ(プロフ) - 冷凍みかんさん» 一年前のコメントに返信失礼します。面白いって言っていただけて感動です。頑張って書いたのが報われます…。応援ありがとうございます！ (2018年8月30日 15時) (
レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すごく面白くて、読んでて楽しかったです！続き頑張ってください！ (2017年8月19日 18時) (レス) id: 86c7d5dde1 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - シロさん» 返信遅れてました(´・ω・`)H×Hは私の中でもお気に入りの漫画なので書いてて楽しいです(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - フェイ・ルーンさん» 返信遅れてすみません。ワクワクしますか！それは嬉しい褒め言葉です(*´ω｀*)自分でも話を考えてるときはワクワクします！ (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - モッケさん» 返信遅れて申し訳ないです。面白いといっていただけてうれしいです！更新は中々出来なかったですが頑張ります(*´ω｀*) (2016年11月12日 0時) (レス) id: d0667a2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2016年3月27日 19時
