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お店を出て、今日の事を話しながら歩いた
北斗「京本、大丈夫だった?」
「うん、運動神経悪いくせにちゃんと受け身取ってたみたいで。擦り傷で済んだみたい。起き上がってこないから心配しちゃったよね」
体育祭に最後までいれなかった罪悪感と、なんだか緊張しちゃって妙に口数増えるけど転がってる石ころを蹴飛ばしながら隣にいる北斗の顔は見れないでいる
地面を向いて歩く私の肩をトントンと叩かれ顔を上げると駅から家までの間にある、小さい頃お姉ちゃんと手を繋いでよく遊んだ公園が目の前にあって
北斗「寄ってこうか」
手を差し出したのは幼い日の記憶にあるお姉ちゃんの小さい手ではなくて、北斗の大きな男の人の手だ
何度か繋いだことのあるその手は、何度繋がれたって心臓が早くなる
隣にいる北斗の顔を盗み見したっていつもと変わらない表情で緊張してるのは自分だけみたい
少しガッカリ
北斗が自販機で飲み物を買ってくれて、暗い公園の街灯の下にあるベンチに座った
手は繋いだままで
北斗「俺、一位獲ったよ」
突拍子もなく話し出した北斗の顔は影で暗くなって見えにくいけど、優しく微笑んでくれてるのが薄っすらわかる
「おめでとう、見たかったな」
北斗「ここで見せようか?」
「え!?」
手を繋いだまま立ち上がって走り出そうとする北斗に引きずられそうになって慌てて引き止めた
「ちょっと!!!北斗!!!!」
北斗「アハハ(笑)冗談だって」
「危ないじゃん!」
ごめんごめん、と笑われて
またベンチに座りなおすと
北斗「ね、俺一位獲ったんだよ?」
さっきよりもニコって歯を見せて笑う北斗はご褒美を待つワンちゃんみたい
ああ、可愛いと思ってしまう
「ろく、いち、はち」
北斗「そうそう忘れないでよ?俺の走り見てないからって無効とか無しね」
「覚えてたよ、ちゃんと」
北斗「俺期待してるから」
1年に1度の特別な日
そんな日に私と過ごしたい、期待してるなんていう北斗に期待してしまうのは私の方
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メル(プロフ) - 一気に読ませて頂きました。凄く面白かったです!続き待ってます。ゆっくりマイペースで構わないので、更新頑張ってください!! (2021年10月7日 0時) (レス) @page36 id: f2d8a12391 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)なな(プロフ) - おかえりなさい!私的に、あわよくばきょもさんと、、、くっついてほし、い、 (2021年10月3日 14時) (レス) @page32 id: ae0489c2e8 (このIDを非表示/違反報告)
sora - 待ってました‼続き待ってますが無理せず頑張って下さい‼ (2021年10月3日 3時) (レス) @page32 id: 3d21003da1 (このIDを非表示/違反報告)
美久(プロフ) - こんばんは!一気に読んじゃうくらい素敵な作品でなんでもっと早くこの作品に出会えなかったんだろう、、と思ってます!このメンバーと楽しい学校生活送りたかったーーって思いました!笑 続き読みたいですが、無理せず頑張ってください^^ 更新楽しみに待ってます! (2021年10月2日 4時) (レス) @page32 id: b2030bb904 (このIDを非表示/違反報告)
運悪chan(プロフ) - 初めてコメントします。続きずっと楽しみにしていたのでまた更新再開してくださると嬉しいです! (2021年9月30日 17時) (レス) @page32 id: e5f2b11791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無名ちゃん | 作成日時:2019年1月7日 22時