【BL】僕と契約したSランクの守護神が、性格がドSの疫病神だった件。【オリジナル】 (ページ41)

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冷徹に話すブレイズさんと、

ぎゃあぎゃあと言い返すヴァル。

何か、傍から見たら…逆に仲良さそうに見える。

｢…A。それから眼帯｣

｢は、はい!!｣

｢何だよ｣

ブレイズさんのハスキーボイスで名前を呼ばれ、

ピシッと背を伸ばす。

ヴァルも、何だかんだ言って応答してる。

｢…感謝している。

私を…止めてくれて｣

｢いえ…。

ブレイズさんはきっと…元から、優しいです｣

｢は…?｣

｢そーだな。命令命令って言いながら、

俺たち以外が居る通りじゃ魔術撃たなかったし。

お前程の技術があれば、的確に狙うことは出来ただろうけど。

万一のことを考えて、だろ?｣

｢………。

…いつも、言われていた。

“お前は勇気が出せない”…と。

守護神になってから街を歩いていると、

幸せそうに談笑する両親を見たことがあった。

臟が煮えくり返ったさ…。

でも…殺(もや)せなかった。

手を向ければ、それで終わりなのに…。

そんな自分が酷く嫌になったが…、

……今は、そんな自分で、良かった気がする｣

｢はい…!!本当に、良かったです…!!｣

｢この眼帯が気に触るようなことしたら、

私に言えよ｣

｢んなことしねぇよ…。な、主｣

｢うん!!分かったよ、ブレイズさん!!｣

｢主まで俺にドライなのかよ!!｣

────

｢…はぁ……初日からどっと疲れたぜ…｣

本日の宿にて、

ヴァルは勢いよくベッドに座り、寝転んだ。

｢良かったねヴァル。守護神のお友達出来て｣

｢あ…あんな奴友達じゃねーよ!!｣

ブレイズさんは、1人で旅を続けるそう。

｢Aが危険に晒されたら助けに行く、

って…無理だろ。

世界は広ぇーのによ…｣

｢じゃあ…ヴァルが………｣

｢…?何だよ?｣

｢う、ううん!!何でもないよ｣

そう言ってハッと気付くと、足、そして腕と、

段々体が動かせなくなっていく。

｢言えよ｣

言いますから、ちゃんと言いますから。

そんな満面の笑み浮かべないでください。

｢だから…その…、そういう状況にならない為に、

ヴァルに護ってほしいな…なんて、あ…あはは…｣