#36 ページ38
「き…消える…!?
ヴァル、どういうこと?!」
「守護神は、命=魔力でさ。
一気に使い果たすと、体が疲労に耐えられずに、
跡形もなく消えちまう。
ランクも、殆ど魔力の多さに比例してるしな」
「はっ…離せ…!!」
ブレイズさんはヴァルの手を払うと、
ガクッと崩れ落ちる。
「あんだけ乱射したらそりゃバテるぜ…。
魔術の威力に、魔力が追いついてないんだろ?
だから、実力はあるのにAランク。…違うか?」
「……貶してるのか…?」
「ちげーよ。
あの焔は見事だったぜ。
余程、焔に思入れがあるみてぇだな」
「…思入れなど……」
「あ?何だ?」
「思入れなど無い!!」
俯いたまま、ブレイズさんは叫ぶ。
僕はブレイズさんへと駆け寄り、しゃがんで、
先程食べなかった、パンを1つ差し出す。
そんな僕を、ブレイズさんは冷たい目で見た。
「…何の真似だ……」
「あの…魔力回復に役に立つかな、って……」
「何故…何故命を狙った奴を助けようとする…?
お前だってそうだ…!!何故止めた?!」
ブレイズさんはヴァルを睨む。
睨んでるけど…どこか、
怯えているように見えた。
いつかの僕と、似ている気がした。
「何故って…主が殺すなって言ったから。
その仰せのままにしてるだけ。
…それと、
助けられるのに助けない見て見ぬふりと、
無意味な殺生は嫌いなんだよ。
それに主、
魔力回復は食えばいいってもんじゃねぇ。
時間かけて休むのが1番だ」
「そ、そっか…。
…でもその、良かったら…ど、どうぞ…?」
変わらず僕は、パンを差し出す。
へたり込んだまま顔を俯かせるブレイズさん、
そしてしゃがむ僕。
目線を合わせるように、ヴァルも座り込む。
「………馬鹿だな…。
馬鹿な程…優しいんだな」
変わらず、俯いたままブレイズさんは話す。
しかし、変わっていた点は、
ポタポタと、涙を落としていたこと。
「今まで、
そうして何かを差し出してくれる人は、
私の前には現れなかった。
…あの時も」
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朔月(??)(プロフ) - クレキさん» ありがとうございます!!(*´▽`*)主もヴァルもクレキさんを愛します← (2019年5月28日 21時) (レス) id: 677fbe071b (このIDを非表示/違反報告)
クレキ - この2人の雰囲気が温かくて大好きです!主もヴァルも愛してます! (2019年5月28日 14時) (レス) id: ddf6620f0e (このIDを非表示/違反報告)
バキューム砂月(??)(プロフ) - kisaragi_gigoroさん» ありがとうございます!!(´;ω;`) (2019年4月23日 16時) (レス) id: 3aa50aad4f (このIDを非表示/違反報告)
kisaragi_gigoro(プロフ) - 尊きことこの上ない (2019年4月23日 11時) (レス) id: 69904253c9 (このIDを非表示/違反報告)
朔月α(プロフ) - レイアさん» キュ○べぇではないですね笑 (2019年3月30日 17時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔月α | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/
作成日時:2019年1月15日 17時