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#35 ページ37

「ひ、人がいっぱい居るよ…!?」


曲がった先は、この街の大通りらしく、

人混みだった。


「大丈夫大丈夫。魔術のセンスは無ぇけど、

浮上飛行は得意だから」


そう言うと、

降下をして、地面スレスレを飛行し、

何事かと見る人々の隙間を縫うように、翔ぶ。

近くの屋台の布が、バサッと舞う。


「おー、ついてきてるぞ。

中々やるなぁ…」


「だから前見て翔んで…!!」


「お、彼処なら……」


「えっ…ま、まだ早くなるの…!?」


更に加速して通りを抜けると、

下が土の、

グラウンドのような広い場所に着いた。


「はい、到着ー」


そう楽しそうに言うと、ふわっと浮いて着地。


「…逃亡を諦めたのか。良い考えだ」


帽子の鍔を上げながら、

ブレイズさんの瞳はこちらを捉える。


「逃亡?んなの考えてねーよ」


「じゃあ何故浮上飛行を──」


「え?だって、あそこ芝生じゃねーか。

燃えたら危ねぇだろ。俺達も、お前も」



何おかしなことを言ってるか?と言うように、

ヴァルは僕を見る。


「…ヴァル……思いやりなのは分かるんだけど…。

あの…ブレイズさんの性格的に…、

この状況でその言葉は……」



「……灰になれ…」



燃え盛る火球が飛んでくる。


「ほらやっぱりぃぃ…!!怒ってるよ!!」


「んだよー。危ねぇって…」


再び僕を抱えて飛行し、攻撃を避けていく。

……だがしかし、以降に当たる気配は無い。

ブレイズさんも、肩で息をしていた。


「…主、ちょっと此処で待ってろ」


ヴァルは僕を降ろすと、

1人飛行し、ブレイズさんへと向かっていく。


「ヴァル…!?危ないよっ!!」


ブレイズさんは、立っているのがやっとなのか、

ふらふらと、ヴァルめがけて手を向けた。


その時、


ヴァルは瞬間的に、

ブレイズさんの目の前へと移動した。


そして、向けられていた手を掴む。


「貴様っ…!!

なんのつもり──」


「もうやめとけ。

お前の体、消えちまうぞ」

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朔月(??)(プロフ) - クレキさん» ありがとうございます!!(*´▽`*)主もヴァルもクレキさんを愛します← (2019年5月28日 21時) (レス) id: 677fbe071b (このIDを非表示/違反報告)
クレキ - この2人の雰囲気が温かくて大好きです!主もヴァルも愛してます! (2019年5月28日 14時) (レス) id: ddf6620f0e (このIDを非表示/違反報告)
バキューム砂月(??)(プロフ) - kisaragi_gigoroさん» ありがとうございます!!(´;ω;`) (2019年4月23日 16時) (レス) id: 3aa50aad4f (このIDを非表示/違反報告)
kisaragi_gigoro(プロフ) - 尊きことこの上ない (2019年4月23日 11時) (レス) id: 69904253c9 (このIDを非表示/違反報告)
朔月α(プロフ) - レイアさん» キュ○べぇではないですね笑 (2019年3月30日 17時) (レス) id: ab8cd8723d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔月α | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/082301153/  
作成日時:2019年1月15日 17時

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