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「Aさん、俺はあなたのおかげで今月末にはあの店を辞めることが出来ます。本当にAさんには感謝してもしきれません。」
黙って彼の話を聞き続ける。
ショッピ君は真っ直ぐに私を見つめていた。
「9月30日に給料日があります。コネシマさんたちはその日に【Daydream】に乗り込むそうです。ここからは私事になっちゃうんですけど、俺が良いと言うまでコネシマさん達を店に入れないで貰えますか？」
『どうしてか教えて貰える？』
「おこがましいですが給料は頂きたいんです。きっと直ぐにあの店は我々組によって潰されますから。」
『わかった、私が何とかするから。』
「本当にありがとうございます。」
その後はお酒を嗜みながら他愛のない話をした。
歳が近いのもあって彼との会話はとても楽しかった。
お互い酔いが回って饒舌になる。
「Aさんとはもっと早くに出会いたかったです。」
『私も。出来れば仕事以外で会いたかったな。』
「傍から見たら出会い方がホストと客って最悪っすもんね」
『あはは、たしかに。』
時刻は終電もすぎる頃。
それでも話し足りなかった私たちはショッピ君の家に行くことになった。
夜景が綺麗なマンションで彼と酒を酌み交わす。
お互いの過去の話をしたり趣味の話をしたりと、とても盛り上がる。
ふとゾムが心配すると思い、連絡を1本入れてると「誰っすかその人？」と覗いてくる。
『わっ、びっくりした...友達だよ。』
「男の？」
『いや...まあ。』
「ふーん」と不機嫌そうな反応を示す彼。
私は男女以前にゾムとの会話を見られたことに焦っていた。
「男の家に上がっといて別の男と連絡なんて余裕ありますね。」
『え...至急の要件だったからごめんって！』
彼はなら仕方ないと不貞腐れながら答える。
少し気まずくなって、私は1度トイレに行こうと立ち上がる。
『あの、ちょっとお手洗い借りるね...うわっ.....！！！』
何かに躓いて盛大にこける。しかも最悪なことにコケた先にはショッピ君がいた。
『あ、えっと...』
「...」
私は今彼の胸の上に倒れ込んでいる。ほぼ床ドンに近い状態になった私は恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になる。
「Aさん...」
『ごめん！今すぐ降りるから！』
怒られると思って急いで立とうとすると、彼が腕を思い切り引っ張る。また体勢が崩れて、気づいた時には彼が私の上にいた。
「俺…そろそろ我慢出来ないです」
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作者名：らあ。 | 作成日時：2022年11月7日 21時
