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shp side
Aさんがルイ13世を頼んだ。
彼女に金を使わせたくないと思っていたはずだったのに、結果として取り返しのつかない額使わせてしまった。
本当にこのままでいいのだろうか。
ふと脳裏にAさんの顔が浮かぶ。
裏ひとつない真面目な顔で「こんな所に長居しないで欲しい」と彼女は言った。
その言葉を繰り返す度に、彼女のお金のありがたみに気付かされる。そうだ、あれは折角彼女が優しさでくれたお金だ。
彼女に返してしまったら逆に恩を仇で返すようなことになってしまう。
ここは恩恵にあやかって貰うべきなんだ。
帰り際にツバキさんが現れる。
「あのお姉さん、本当に君のことが好きなんだね。今日ルイ13世入れたんでしょ？」
「...はい。」
「はー、彼女が俺の客だったらな。顔も可愛くて、お金も持ってて、本当にクレが羨ましい。」
「ほんまにありがたいことです。」
「そう言えば、もうすぐクレにとっては初めての給料日だね。」
「ああそうでしたね。」
「ウチはちょっと特殊だから気をつけてね。じゃあまた明日。」
いよいよか。この日が1番の狙い目だ。
もうすぐでこの仕事も終わる。楽になれるんだと思うとそれだけで幸福感に包まれた。
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A side
コネシマさんに報告を終え自室に戻るも、ゾムはいなかった。よくよく見ると机に「体が鈍りそうなのでナイフ振り回してきます」と置き手紙があった。
こういう日は帰ってくるのが次の日の朝なのでもう寝てしまおう。
ベッドに横になると今日のことが頭をよぎる。
結局のところショッピ君はどうして金を欲していたのだろうか。
『あ、そう言えば...』
カバンからツバキさんの名刺を取り出す。
彼に聞けば少しだけでもショッピ君の事が分かるかもしれない。
出るか出ないかも分からないが、その番号に電話をかける。
何コールかしてツバキさんは出た。
「もしもし？え、もしかしてお姉さん？どうしたのこんな遅くに！」
『夜分にごめんなさい。実はツバキさんに聞きたいことがあって...』
「何？」
『タバコくれ太郎についてで何か知ってることありませんか？』
「...ああ、彼はね、あんまり俺も分からないけど、確か借金を抱えてるって聞いたことがあるよ。」
「借金」。パズルピースが少しずつ埋まるような感覚がした。
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作者名：らあ。 | 作成日時：2022年11月7日 21時
