任侠には興味なし【d!】 (ページ25)

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車から降りると会場の全貌がありありと見える。

それはとてつもなく大きな洋館だった。

『わぁ、すごい…』

「主催者が派手好きでな、よくこうやって他の組の者集めて食事したりすんねん。」

『そうなんですね。』

コネシマさんは先程と同じく手を貸し、エスコートしてくれた。

「そういやA、最近大先生とシャオロンと話してへんやろ。」

『えっ』

「2人とも寂しがっとったぞ」

ゾムと出会ったあの晩から、会うには気が引けて彼らの元に行かなかった。私が、2人が主犯だと気づいたと知れば、また何かされそうでどうしても怖かった。

本当は気づいてないフリをしていつも通り接すればいいのだろうけど、そんなに私は器用じゃない。

コネシマさんは黙り込んだ私を見てフッと笑う。

「まあ、何があったか知らんけど、ウチの者が迷惑かけてたらすまんな。」

『…いえ、こちらこそすみません。今度会いに行きますね。』

「おう、きっと2人とも喜ぶと思うで！」

屈託のない笑顔のコネシマさんを見ていると、何でも許してしまいそうになる。

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『わあ…』

会場内に入るとその賑やかさは頂点を極めていた。
ホールのどこを見ても、煌びやかに着飾った人が沢山いる…中には、チンピラみたいな人もいたが。

私たちは奥へ奥へと進み、とりあえず料理を食べることにした。

ここでの料理はビュッフェ形式で、欲しいものは何でも揃っている。私もコネシマさんも交流そっちのけで沢山のご馳走を食べることにした。

『コネシマさん…これ…』

「めちゃくちゃ美味いなぁ」

『ですね！！』

どの品も絶品で、いくらでも食べれそうだった。
コネシマさんも鮭の料理を見つけたのか、美味しそうに食べていた。

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幾分か時間が経つと、食事を楽しんだ人達が今度はダンスを踊り始めた。いわゆる社交ダンスのようなやつだ。

しかし、私はそんな事生まれてきてしたことがなかったので、その姿を眺めることしか出来なかった。まあ、正直眺めるだけでも豪華なオルゴールみたいで楽しかったからそれで良かったのだが。

「Aは踊らんくてええのか？」

『私、今までダンスをまともに踊ったこと無いんで…』

「そか、俺もああいうノリは好きじゃないから踊らんわ。」

コネシマさんは先程から何人かの女性に踊りを申し込まれていたが、全部ぶっきらぼうに断っていた。

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