客席からの恋____そして、実った (ページ1)

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1.引っ込み思案でなければよかったのにページ1

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「今日もカッコいい～。佐藤くん」

私はサッカーをしている男子を見て言った。
今大親友の片岡美亜ちゃんと一緒に昼食を食べている。

「どんだけ同じこと言ってんの。風花」

そう、私の名前は森風花。そして、私はサッカー部の佐藤悠斗君のことが好き。

さっきの「今日もカッコいい～。佐藤くん」は今日で十六回目だ。
今までの最多記録だろう。いつもは十六回くらいだけど。

「風花ぁ。また昨日もやっちゃったの?」

「うん。これで七回目だよ。どうしよう、もう無理なのかな。美亜ちゃん～。」

昨日も佐藤君に告白しようと思って佐藤くんを呼び出したけど、本人の前で緊張しちゃって倒れちゃった。同じようなことが前にも六回。

だから、告白失敗歴七回。もうベテランだよ。さすがにへこむ。

「佐藤君私のこと嫌いになってないかな。」

私は重い荷物を持っているような声で言った。

「一二回はいいけど、七回はちょっと…でも、大丈夫!風花にはあたしがいるから!」

美亜ちゃんがいつもの調子で言っているけどちょっと不安。もしかしたらこのままの状態で終わっちゃうかもしれない。

　すると、突然女子たちの黄色い声援が聞こえた!
　佐藤君がシュートを決めたみたい。すると佐藤君が私に向かって手を振った。
いや、私の方向にいるファンたちの子だろう。気のせいと思う。

私がもう少し積極的だったら今のようになってないかもしれない。
引っ込み思案でなければよかったのに。

私は食べ終わった弁当箱を片付けながら、そう思った。