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「初めまして、好きです」
「…はい?」
あっひゃひゃと笑いが教室にひびく。
隣の席の銀島くんと話していると突然上がら降ってきた告白。
顔を上げると見たことはあるけど名前も知らない男の子。
「角名、やるなぁ!」
彼の肩をバシバシと叩きながら笑っているのはイケメンと有名な宮ツインズのどちらか。
いまいちまだ見分けはついていない。
彼らは男子バレー部で同じチームメイトだと銀島くん聞いたことがあるから、部活関連で集まっている事は想像できるけど、唐突に好きって何?
銀島くんに目線で助けを求めると、すっと目を逸らされた。
…薄情者め。
「一目惚れしました。好きです。」
彼は表情ひとつ変えずまた私に声をかける。
「ごめんなさい。」
しっかり目を見て答えると双子が揃って変高らかに笑う。
一目惚れって何だ。
私は別にかわいくもないし目立つわけでもないし愛想がいいわけでも無い。
どう考えても一目惚れされるような人間では無いので冗談としか思えない。
宮双子ってそういう悪ノリ好きそうだしタチの悪いイタズラかな、なんてほとんど話した事のない2人にもう疑いの目を向ける。
「まあ、今日出会ったばかりだし、これからお互い知っていいけばいいよ」
ふっと薄く笑い私の手を取る彼。
うわ、顔がイイヤツはこんな事を恥ずかしげもなく簡単にできてしまうのか、なんて感心してしまう。
「お近づきの印に、名前教えてよ。俺は角名倫太郎。」
「…松本A」
「これからよろしくA」

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作者名:李雨*無気力なう。 | 作成日時:2025年1月22日 2時