〜城内試験(8)〜 ページ37
その後も続いた試験も終わりを迎え、白雪を含めゼン達は話をしていた。
「あとは選出結果を待つだけ?」
「はい!」
『白雪はきっと合格だよ』
「ゼンも選ばれるといいね」
木々、それは可哀想だよ、ゼンも頑張ったんだから。と諭すクレアの表情は、笑いを何とか我慢しているような顔であった。
「だからあれはだな…しつこいんだよ、お前らは!」
「心配したんだぞ!」
困った主人だよねーと呟くミツヒデに、木々は暫くは大人しくなるよと、嬉しそうだ。
「そういえば白雪、あの時の薬草」
『何の話?』
「何だ、クレアお前は知らないだろうが」
『良いじゃん教えてよ、ゼンのけち』
あたしにも教えて?と、聞けばすんなりと教えてくれ、どうやらあの夜閉じ込められた時、植えられていた花の事をゼンは聞いてるようだった。
「で、どんな花が咲くんだあれは?花で見分けるとか言っただろう」
「ユラシグレ?」
『へぇ、そんな花があるんだ』
「葉と同じ位の大きさの赤い花。アケギシグレと並べて見ると、花びらの形が違ってて面白いよ」
白雪の顔を見れば、本当に好きなんだなと思うくらい楽しそうに話していて、それを熱心に聞いているゼンにも笑みが溢れた。
「何だクレア、にやにやして」
『べっつにー』
「あ、白雪。確かクレアにピッタリな花があるって言ってなかったか?」
『あたしにピッタリ?』
どういう事か聞くために隣にいる白雪を見ると、あぁ、と話し始めた。
「コチョウカと言って、陽が落ちた時のクレアさんの髪に似てる色の花です」
『白い花なら、そこら中に…』
「まぁそれは、そうだが確か花言葉が」
「大胆、自由奔放」
「まさに、クレアだな」
『大胆かな?』
自由奔放な事は認めるんだなっと笑うゼンに、白雪も笑った。
『白雪、その花が咲いてたらまた教えてよ。それと今度そのユラシグレ見たいな』
「良いですよ、行きましょう」
白雪とクレアが楽しそうに話しているのを見ながら、ゼンは白雪の髪へと静かに腕を伸ばす。
「ふーん赤ね…なら俺は、とびきりのをもう知ってるな」
ク(あ、ゼン。やらしー)
ゼ(な、俺は何もしてないぞ)
白(…?)
ク(動揺してる辺りがもっと怪しい)
ゼ(うるさいっ、お前はさっさと何処か行け!)
ク(白雪ー、ゼンがあたしを追い払おうとするー)
白(まぁまぁ(此処に住むようになったら、毎日賑やかになりそうだな))
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時