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   〜出会い(2)〜 ページ2

『…鈍臭ーい』

「煩い、クレア。これは事故だ、事故。…で、おまえはほんとに誰?こんな森の奥で一体何を?」



左肩に剣を乗せながら彼女にもう一度、ゼンは問う。



「いや私は…その家出中の身で、ただ人通りのない道をーー」



ゼンが目深に被られたフードを鞘の先で弾けば、露になった真っ赤な髪に、一同は言葉を失う。



『…ふーん、赤い髪』

「はい?」

『…』



つい出てしまった言葉に彼女は、律儀に答えるがクレアは何事も無かったかのように木々とミツヒデの所に戻った。



「…変わった髪を持っているな?」

「そうですね、よく言われます」



しまった、とばかりに苦笑する赤髪の彼女にクレアは、見定めるかのように、目を細めた。



「そ、それよりあなたさっき落ちて右手を痛めたんじゃ?」

「…それが何だ」



訝しげに、ゼンは少し間を置いてから答える。



『ばっちり、見られてた訳ね』

「余計なこと言うと後でどやされるよ、クレア」

『それは勘弁』

「大人しくしときな」




木々は、警戒しているだろうクレアを宥めるように、肩にそっと手を置いた。




「私、薬剤師の仕事をしてて…湿布薬とか持ってるのでよければ、どうぞ」

「薬?ふーん、いらない」



鞄の中身を見せながら言う彼女にゼンは、あっさりと断る。



「毒かもわからんものを、いきなり差し出されて使えるか!森の小人じゃあるまいし、他人をあっさり信用はできん。つまり用は無い、わかったらもう行け」

「…………」



まぁ見ず知らずの人間からおいそれと、治療を受ける人はいないかと、勢いよく目の前へと出された剣に少し引き気味に見ていると



「なんだやるか…」

「!?」



暫く黙った後に、目の前の剣を鷲掴めば、そのまま自分の左手に振り下ろさせ鈍い音が響く。そこから鞄を漁り塗り薬を取り出し、その腕に湿布する。



「………」

「あいにくと、毒を持ち歩く趣味はないよ」



ぽろりと、剣を手放したかと思えば腹を抱えて笑い出すゼン。



「あっはははははは、やられたなーゼン」

「え?」

「く…くく……はー…そりゃ悪かった、よろしく頼む。そもそも俺の着地失敗は半分はお前のせいだったな。責任もって、痛みが引くまで面倒をみてくれるんだよな?」



痛んでいない左手で肩をがしっと掴んで笑うゼンにクレアは、小さくぼやく。


『人のせいにするとはね』

「何か言ったかクレア?」



何でもないとばかりに、ゼンの言葉を無視すれば頭を叩かれた。




.

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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 従者   
作品ジャンル:ファンタジー
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時

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