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｢…太輔は？
いつも車の中じゃサングラスかけないじゃん｣
分かりやすいくらい下手に話題を変えれば
f｢あー…うん＿＿｣
彼も困惑したように言葉を濁す。
結局、、
いつもは甘い会話が、途切れることなく続く車内なのに
今日はそれっきり2人とも言葉を発さなかった。
太輔の家に着いて
やっぱり無言のままエレベーターで部屋へあがる。
いつもは2人で向き合って、笑い合って、太輔しか見ないこの中でも
今日は…
彼の視線を感じながら気付かないふりをして
徐々に階数に合わせて上がっていく光を見続けた。
ｼﾞｬﾗ…ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ
部屋を開けるための鍵。
太輔のキーケースには
2人で行ったロスで買ったキーホルダーが付いていて。
つい触れそうになって伸ばした手に、はっとして引っ込ませれば、太輔は不思議そうに私を見る。
f｢どーぞ｣
数十分ぶりの声に
軽く会釈して中に入れば
それに続く足音とともに
f｢やっぱりA、なんか今日変じゃない？｣
という甘い声と背中に感じる彼の鼓動。
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作者名：れんり。
| 作成日時：2019年3月3日 14時
