【d!】they love【z/m】

another. ページ30

あの後、もう一度お互い平謝りしゾムさんと別れた。

案内人からはこってりと怒られ、その後話を聞いていたのかあの人と恋人なんですか？なんて聞かれた。違います、と否定しなくてはいけなかったが私の口から出た言葉はいや…あの…とかいう曖昧な言葉だけだった。


ゾムさん。

ここで仕事をしていても普通ならきっとお目にかからないだろう。


ぴぴ、といつまでも私の肩に乗ってる小鳥が鳴き声で音楽を奏でる。



「なんでだろう。」



家までの帰り道、ぽつりと呟いた声は誰にも届かず夕暮れに消えた。




-＊-＊-＊-＊-



ずっと夢を見ていた。

誰かと幸せに暮らして、誰かと幸せになって、誰かに壊される夢。



「…あぁ。」



目覚ましの音が聞こえ、意識がどんどん覚醒していく。ゆっくりと瞼を開けてもう慣れた夢の内容を噛み締めた。

今日もか。

今までの不思議なことは全てこの夢に関係してるんじゃないか、なんて思う程この夢しか見てこなかった。最初はぼんやりとした風景だけだったのに時を経つにつれてどんどん長く、はっきりとした夢になっていっていた。

だからその誰か、がゾムさんと似てるだなんてそんな事を考えてしまった。


頭の中に声が響く。


【約束の日まで、あと3日】


小さい頃から聞いてきたこの無機質な言葉の意味は未だ分からない。
残り2000から始まったこのカウントダウンはあっという間に残り3日となっていた。

その言葉に怖さを覚えつつ、ベットから起き上がった。

終わり ログインすれば
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