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左に顔を向けると、目を垂れさせた陣内さんが一見丸腰で立っていた。
「こいつらの仲間か!?」
質問に答えず彼はちょうど近くにあった椅子に片腕を乗せる。
それから、冷めた瞳で「分かるよ」と言い放つ。
「オレも今日は、爆勝ちする予定だったんだよ」
爆勝ちの部分で椅子を横に退けた陣内さんはゆったり歩き出す。
そんな彼に私たちは特異な雰囲気に呑まれて声を出せずに居る。
「来るな!!」
銃を向けられているとは思えない、全く怯んでない様子に逆に畏怖し叫ぶドーパー。
けれども意に介すことなく、彼は静かな怒りを讃えた顔で言った。
「どうしてくれんだよ、オレのパチンコ」
陣内さんは目に蒼い光を灯して凄む。
錯乱した吉岡さんは絶叫しながら銃を撃った。
それは勿論当たる筈もなく、右に頭を傾けただけで避けてしまう。
「…そうか、オマエの所為だな」
回避した直後、悟った表情になる陣内さん。
突如両手を顔に添え、震える声で吉岡さんの真似をする。
「オマエの所為でオレはパチンコに集中できないんだ!!」
「近づくなぁ!!」
恐怖を煽られ、定まらない標準のまま3発撃つドーパー。
だが、陣内さんは慣れた様子で一切の無駄がない華麗な動作で躱す。
余裕の笑みを浮かべて。
必死さがまるでなく、それが彼の圧倒的な強さを裏付けていた。
「何なんだお前!何で当たらないんだ!!」
もはや慄きと憤りが入り交じった声音になり、吉岡さんは異能力で消える。
彼の超視力の前には無駄な足掻きとも知らず。
「面倒くせぇなぁ…」
独り言のように心底煩わしい顔をした陣内さんは、床に手を伸ばした。
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クロ(プロフ) - た!!!さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しく思います♪なるべく今日中に更新したいと考えておりますので楽しみにしてくださいな (8月23日 16時) (
レス) id: 6b6cbcfbd1 (このIDを非表示/違反報告)
た!!!(プロフ) - はじめまして!この作品読むの楽しくてつい一気読みしちゃいました!更新楽しみに待ってます!!! (8月23日 15時) (
レス) @page48 id: 07f2555b89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2025年8月6日 18時


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