41t ページ42
才木さんに迫ったナイフを寸前で止めて綺麗な一本背負いをした綿貫さん。
確かに捕らえたけど、苦しそうに喘ぐ男はまだ諦めていないように見えて何だか嫌な予感がした。
「私に宇宙人って言ったこと、謝りなさいよ」
そう言って彼女が胸倉を掴んで浮かした刹那、ドーパーはまた消えてしまった。
最悪なのはそれだけに終わらない。
吉岡さんは、置いてあったルームフレグランスを柴原さんの顔面にかけた。
1番頼っていた彼の異能力を封じられて私以外の3人に動揺が広がる。
私といえば、浪人してる癖に変なところで学習能力高いんだな、とちょっと感心してしまった。
そんな場合じゃないけど。
「よぉ〜い、ドン!!」
急にカウントダウンをして踊り場を荒らしていくドーパー。
紙が舞い、枕が動き、のぼり旗が倒れ、様々な音が耳朶を叩く。
「才木さん!?」
足を乗せていた地面の黄色いブランケットを引き抜かれ、転んだ才木さん。
その布はそのまま綿貫さんに纏わりついたものの払い落とされる。
しかし現状ドーパーにとって最も驚異である彼女の視界不良を見逃す訳もなく、倒れている才木さんに本棚を倒す。
「危ない…!」
何とか綿貫さんが引っ張って直撃は免れた。
「修理費こっちに回されるのに!」
どんどん、滅茶苦茶に掻き回されてゆく現場。
綿貫さんは蹴飛ばされ、助けに行こうとした柴原さんも柱とテーブルの挟み撃ちになって顔を殴打されてしまう。
ああ、確実に次は私だ。
再度瓶を傾けて噛み砕いた私は、後ろを向けて未だ仲間に危害を加える男に銃を構える。
けれども引き金を引こうとした瞬間にドーパーは消え、後ろから銃特有の音がした。
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クロ(プロフ) - た!!!さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しく思います♪なるべく今日中に更新したいと考えておりますので楽しみにしてくださいな (8月23日 16時) (
レス) id: 6b6cbcfbd1 (このIDを非表示/違反報告)
た!!!(プロフ) - はじめまして!この作品読むの楽しくてつい一気読みしちゃいました!更新楽しみに待ってます!!! (8月23日 15時) (
レス) @page48 id: 07f2555b89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロ | 作成日時:2025年8月6日 18時


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