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持久力のない私は喋る余裕さえなかった為、道中は特に会話はしなかった。

「才木さん…先、行ってて。ごめんなさい」

ただ軽く走っただけなのに到着したところで力尽きてしまった。
もう歩くのも億劫だ、というか運動したせいで薬がかなり回り始めてて気持ち悪いというのが本音。
しばらく休憩しないとこの後全く動けなくなりそう。

「えっ大丈夫なんですか?」

「大丈夫、ほんと申し訳ないです」

この前陣内さんが座ってた椅子に腰かけた私は、彼が入店したところまで見届けて項垂れる。
視界が歪んで来てるから平衡感覚さえ消えてきた、もっと後にオーバードーズすればよかった。
ぐにゃりとコンクリートの地面が曲がっているのを見るのが嫌になり目を閉じる。
やがて段々慣れてきたところで才木さんは陣内さんを連れて戻って来た。
数分もしない内にだ、早い。

「ここまで来たら自分で歩くって!ほんと引っ張んな!」

目を開け、顔を上げた私は出入口を見た。
そこにはスーツの上から首根っこを掴まれて引き摺られている陣内さんが。

「え、幻覚?」

「Aちゃーん、幻覚じゃないからね。てか助けて?」

思わず呟いたワードを必死な顔で否定された。
びっくりした、こんな強硬手段に出ると思わなかったから薬による幻覚かと勘違いしちゃった。

「才木さん、陣内さんを掴んでる手を離して行きましょうか」

「早く行かないとですよね」

私が立ち上がったところで声をかけると陣内さんは解放された。
首で引き摺られたからか痛めた様子だが今は待ってられない。

「じゃ、私案内しますね」

想定より早く3人揃ったことに安堵しながら、ショッピングモールへと急ぐのだった。

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クロ(プロフ) - た!!!さん» コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しく思います♪なるべく今日中に更新したいと考えておりますので楽しみにしてくださいな (8月23日 16時) (レス) id: 6b6cbcfbd1 (このIDを非表示/違反報告)
た!!!(プロフ) - はじめまして!この作品読むの楽しくてつい一気読みしちゃいました!更新楽しみに待ってます!!! (8月23日 15時) (レス) @page48 id: 07f2555b89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロ | 作成日時:2025年8月6日 18時

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