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走ってようやく現場である高架下に到着すると、ドーパーが何かを喚いて暴走していた。
手から青白い雷を出し、無差別に襲っているようだから早く取り押さえないと死人が出るかもしれない。
「田辺さん！これ預かってくれませんか！」
「え！？」
拘束に向かおうとしたところで、さっき陣内さんからもらった袋を才木さんから渡されて思わず手に持ってしまった。
立ち止まった私は、力尽きて項垂れたドーパーへと駆ける彼と陣内さんを追いかけず傍観することした。
「ははっ、相当キテんね」
冷笑する陣内さん。
才木さんはといえば顔を顰めており、未来を予知したようだ。
却説、彼はどうするのか。
「アイツの運命はもう決まってる」
振り向いた陣内さんと、向き直った才木さんの視線が交差する。
嘲るように、またしても運命という台詞を紡いだあの人。
それでもすぐ射殺してしまわないことから分かる。
期待して試してるんだ。
眩しくてこちらが焼かれてしまいそうなほどに正義感の強い新人、才木優人という光に。
「駄目です。陣内さん」
一切の迷いのない動作で構えられた、鈍く光る銃。
「…何だそれ」
歩みを進めていた陣内さんは静止を受けて立ち止まった。
背を向けて大丈夫なのか、と思って2人から視線を外した私はドーパーを見遣る。
すると、体から稲妻が走るのが確認できた。
どうやらオーバーヒートから回復してしまったみたいだ。
絶叫して雷を放とうとするドーパー。
バァン！
1発の銃声がした。
足を撃たれたことで体勢を維持できなくなり男は倒れこむ。
銃を下ろした才木さんはホルスターに仕舞いながら素早く近づき、新たに胸ポケットから出した手錠をかけた。
「変えられます、それが運命だとしても。俺の力はそのためにあるんです」
物怖じせずに言いきった彼の姿。
真っ直ぐで、強い意思を宿した瞳に、私は心が揺さぶられるのを感じるのだった。
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クロ(プロフ) - た！！！さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しく思います♪なるべく今日中に更新したいと考えておりますので楽しみにしてくださいな (8月23日 16時) (
レス) id: 6b6cbcfbd1 (このIDを非表示/違反報告)
た！！！(プロフ) - はじめまして！この作品読むの楽しくてつい一気読みしちゃいました！更新楽しみに待ってます！！！ (8月23日 15時) (レス) @page48 id: 07f2555b89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2025年8月6日 18時
