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結局あれから何も喋らなかったのですぐに完食した。
弁当の容器をゴミ箱に捨て、ふぅと息を吐く。
席に戻ってスマホで音楽を聴き始めた私は、2曲聴き終えたところで声をかけられた。
「おい、大事な話がある。田辺もこっちに来い」
陣内さんを除いた全員が葛城さんの席を囲むようにぐるりと立っている。
いったい話とは何だろうか。
「警察庁から不要だと意見されたり、厚労省内でも一部で解散せよとの声が上がっていたが、我が特殊捜査課は…」
勿体ぶるように言葉が切られる。
緊張した面持ちをする皆。
私も葛城さんの次の言葉を思って心臓がバクバクしているのが分かった。
「今後も存続されることが正式に決まった！」
一気に沸くオフィス内。
ニコラスさんなんか、よっしゃ！と言って万歳するほどである。
私はといえば小さくガッツポーズをして良かったと呟いた。
「転職するチャンスだったんだけどなあ」
綿貫さんが残念そうに言う。
けれども笑ってたから本心ではないのだろう。
「陣内はどこだ」
皆が一様に喜ぶなか、陣内さんが居ないことに気がついた葛城さんが行方を問う。
「あっどうせまた、パチンコでしょ」
私が、というか大体の人が思った答えが返される。
席に戻ろうとしていた才木さんを呼び止めた葛城さんは連れ戻してこいと言い放った。
びっくりする才木さん。
「俺がですか？」
「お前の教育係だろ」
作られた真面目な顔で言われた、教育係のワードに彼はかなり困惑した様子で訊き返す。
「あっ、そうなんですか？」
おちょくられている後輩に、ガンバレと柴原さんが背中を叩く。
まぁ才木さんは驚きすぎて激励を感知できてないみたいだけどね。
2人を視界の端に自席に帰った私は、バッグを肩にかけてドアに向かう才木さんに近づく。
「行ってきます」
「あ、才木さん。よければ私もお供します」
「いいんですか、どこに居るか見当もつかなかったので助かります」
私が声をかけると目に見えてホッとした様子を見せる才木さん。
「じゃあ、まず第1候補に向かいましょう」
バタンと戸を閉め、私たちは事務所を後にするのだった。
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クロ(プロフ) - た！！！さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しく思います♪なるべく今日中に更新したいと考えておりますので楽しみにしてくださいな (8月23日 16時) (
レス) id: 6b6cbcfbd1 (このIDを非表示/違反報告)
た！！！(プロフ) - はじめまして！この作品読むの楽しくてつい一気読みしちゃいました！更新楽しみに待ってます！！！ (8月23日 15時) (レス) @page48 id: 07f2555b89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロ | 作成日時：2025年8月6日 18時
