みぞの鏡07 ページ30
「...それで何用だ？」
食事を終え、セブルスが食器を洗いながら、机の端で小さく教科書を広げ宿題をしているセレナに問う。
すると、ん？と顔を上げてはヘラりと笑って、持ってきた教科書をペラペラと捲りながら答えた。
「私、一年生の教科書だけじゃ物足りないんです。だから父上に何か教えて頂きたいなと思いまして...」
その胡散臭い表情の時は、大概嘘をついている時の
セブルスは眉間に皺を寄せ、呆れたように再度問いかける。
「本音は？」
「...父上ともっと一緒にいたいです」
ふいっと顔を背けながら照れたようにボソボソと言った娘に、んグッと変な唸り声を上げた。
入学式前に《先生と生徒》という間柄になるのだから節度を持てと約束しただろうと思いながらも、心はもの凄く揺らいでいる。
娘の可愛さと、約束を反故した事への怒りとどちらを取るべきか...。
「...約束、破ったこと怒ってますか？」
まるで見放された子犬のような表情をするセレナに、セブルスは顔を両手で覆い天を仰ぎ、脳裏には今まで彼女と過した日々が駆け巡る。
憎しみと懺悔の対象だった彼女が、いつしか愛しいと思うようになったあの日々が...。
「Ms.ウィンクルム...」
「...はい」
「毎週金曜、授業が終わり次第教室に残りなさい。
ーーー特別授業として、時間を取ってやらんこともない」
セブルスの言葉に、パァァと花開いたような笑みを浮かべるセレナは何度も何度も縦に頷いた。
我ながら娘に甘いと思いつつも、心のどこかで期待していた自分もいた事に今更ながら気がついてしまった。
しかし、ただただ甘やかすのもダメだと、昔セレナを育てることになった時にマクゴナガルに言われたことを思い出す。
あの時は、セレナにお菓子をあげすぎて虫歯にしてしまったのだが...。
「ミス・ウィンクルム、あくまでも授業だ。お前にはこの一年で二年生以上の実力をつけてもらうからな」
「え！？」
「当たり前だ。三年にもなれば選択科目が増える上に、五年にもなれば
親としては、良い場所に就職してもらいたいと思うのは当然では？
それに、先程言ってただろう『一年生の教科書だけじゃ物足りないんです。だから父上に何か教えて頂きたい』と...」
滅多に見れない笑みとともに反論も辞さないと放たれた言葉は、良くも悪くもセレナの心に突き刺さった。
セレナの完全敗北である。
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レン(プロフ) - pecoさん» pecoさん、コメントありがとうございます！夢主ちゃんには暗躍してもらって笑この長年続く因縁に決着つけて頂きますので、これからも夢主共々この作品をよろしくお願いします (2022年11月21日 20時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
peco(プロフ) - マルフォイ可愛いくて大好きです！夢主ちゃんにはぜひスリザリンとの溝脇を埋めて欲しいです！更新楽しみにしてます！ (2022年11月21日 19時) (レス) @page40 id: 513ec929f7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - チーズバーガーをチーズぬきで！？さん» コメントありがとうございます(*^^*)更新遅めですが、楽しんで頂けたらと思います！これからもよろしくお願いします！ (2022年10月13日 21時) (レス) id: b7c954aa2e (このIDを非表示/違反報告)
チーズバーガーをチーズぬきで！？ - セブルスが親だったら確かに厳しく育てられそうなイメージがあります。あっ、最近見始めました。ハリー大好きなので、ハリー落ち嬉しいです！今後の展開、ワクワクします(*^O^*) (2022年10月13日 18時) (レス) id: 658ba4281a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2022年9月4日 21時
