クィディッチ04 ページ18
次の日、外は快晴でまさにクィディッチ日和だ。
ハリーたちと合流し、大広間でいつもと同じように朝食を食べているが、ハリーはどこか落ち着かない様子で何も食べたくないと呟いた。
あと一時間もすれば試合が始まるという緊張からか、拒絶反応を起こしている。
「朝食、しっかり食べないと」
「だって本当に食べたくないんだ」
「トーストをちょっとだけでも…」
ロンとハーマイオニーが優しく声をかけたが首を横に振るハリーに、近くで話を聞いていたシェーマスも「シーカーは真っ先に狙われる」と言って、強制的にハリーの皿にソーセージとたっぷりのケチャップを添えてきた。
ハリーにとって今は要らぬ世話でしかない。
チラリと隣に座るセレナを見ると、先程まで寝ぼけ眼だったのに、食事をしたからかいつものキリッとした眼でソーセージを頬張っていた。
「セレナは緊張とかしないの？」
「ん？ふふん」
「ごめん、なんて言ったの？」
「…するよ！でもハリーと一緒だし、何も怖くないわ」
ケチャップを口の端に付けてニッと笑ったセレナに、少し照れくささを感じて頬を染める。
ハリーは彼女のたまに見せる子供っぽい表情に、少し惹かれていた。
「セレナ、ケチャップ付いてるよ」
「ん、ありがとう！でもハリー、皆の言う通り少しは食べた方が良いよ？」
ナプキンでケチャップを拭ってあげると、お礼を言ったセレナにまで心配された。
こればっかりは心理的なものだから仕方がないのに、セレナに言われると食べてみようかと思うのだから不思議だ。
それでもフォークに手をつけようとしないハリーに痺れを切らしたのか、セレナは自分のフォークでハリーの皿にあったソーセージを刺すとグイッとハリーの口元までそれを持っていった。
所謂あーん状態だ。
見ていたシェーマスとロンは口笛を鳴らし茶化すも、ハリーにとってはそれどころでは無い。
ワタワタと慌てハーマイオニーに助けを求めるも、彼女からは羨ましそうに睨みつけられるだけだ。
「えっ、えっ！？」
「ハリー、私からのプレゼントを無下にする気？」
早く食べろと煽るような言い方に、ようやく観念したハリーはその状態のままパクリと食べた。
「ありがとう、セレナ」
「どういたしまして、ハリー」
彼女の満足そうな笑みに、トクンと小さく胸が高鳴った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 234人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レン(プロフ) - pecoさん» pecoさん、コメントありがとうございます！夢主ちゃんには暗躍してもらって笑この長年続く因縁に決着つけて頂きますので、これからも夢主共々この作品をよろしくお願いします (2022年11月21日 20時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
peco(プロフ) - マルフォイ可愛いくて大好きです！夢主ちゃんにはぜひスリザリンとの溝脇を埋めて欲しいです！更新楽しみにしてます！ (2022年11月21日 19時) (レス) @page40 id: 513ec929f7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - チーズバーガーをチーズぬきで！？さん» コメントありがとうございます(*^^*)更新遅めですが、楽しんで頂けたらと思います！これからもよろしくお願いします！ (2022年10月13日 21時) (レス) id: b7c954aa2e (このIDを非表示/違反報告)
チーズバーガーをチーズぬきで！？ - セブルスが親だったら確かに厳しく育てられそうなイメージがあります。あっ、最近見始めました。ハリー大好きなので、ハリー落ち嬉しいです！今後の展開、ワクワクします(*^O^*) (2022年10月13日 18時) (レス) id: 658ba4281a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レン | 作成日時：2022年9月4日 21時
