君影草 (ページ46)

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『も、もしもし』

「久しぶり。そろそろ俺の声聞けないとダメかなって思って。」

あぁ、泣きそう。

『けいた…ごめんね。』

「俺も強く当たっちゃってごめん。」

『あのね、「あのさ、別れよう。」

え？夢？ドッキリ？

『いや、え？何言ってるの？』

「だから、別れよう。」

『なんで、』

「理由は…」

理由が、無いの？

『Aと遠く離れてもずっと大切にするって言ってくれたじゃん…。』

「でも、それは出来ない。A、俺たちまだ若いんだ。お互いやりたい事だって山ほどあるだろ？」

『でも、私嫌いになんかなれないよ。』

「俺もなれないだろうね。」

『だったら、良いじゃん、連絡は出来る時でいい、けいたに全部合わせるし、お金が必要なら私が頑張って働いて送るし、けいたに見合う女の人になるし、』

「どうすれば、別れてくれるの。」

あぁ、何言っても聞かないんだろうな。

『そんなに別れたいんだね、分かった！じゃあ別れよっか。』

「俺の勝手でごめん、」

『分かってるなら、しないでよ…。』

『私、ずっと好きだから。誰よりもけいたのこと応援してるし、私が初めてのファンだから。それだけ、忘れないでね。』

「ありがとな、笑日本でしっかり良い人見つけて、幸せになってね。」

なれる訳あるか。
何を言ってるんだこいつは。

『身体は大切にね。疲れて駅とかで寝ないでね、笑』

「それ既に1回やったわ笑」

『ばか笑笑人の迷惑になるようなことはダメですからね！』

「はーい笑あ、ごめん呼ばれてるから、A。楽しかった。」

『こちらこそ、ありがとう…。じゃあまた、、じゃなくていつかね。』

「おう、じゃあ、またいつか。」

切った瞬間、私は静かに泣いた。