ただ、あなたが好きでした。 (ページ5)

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A｢すずもと、みゆ...｣

誰だろう全然わからない。

鈴｢知らないですよね、隣のクラスですから。｣

A｢あぁ、そうなんですか...｣

隣のクラスなのに私のこと知ってて、しかも用があるなんて、一体この人何者なんだろう。

鈴｢こわいですか？｣

A｢いや、そういうわけじゃなくて...あの...｣

鈴｢まぁいいです。それで本題なんですけど、｣

何この人。やりたい放題だなぁ。

鈴｢はやめに言っときますけど、あ｢鈴本！！！｣｣

鈴本さんがなにか言いかけた時、後ろから鈴本さんを呼ぶ声が聞こえた。そこに立っていたのは...茜？

鈴｢守屋！なんで！！！｣

予想外のことだったのか鈴本さんが目を見開く。

茜｢織田から聞いた。余計なことしなくていい。｣

鈴｢だってこの子でしょ？｣

茜｢違うよ、Aは違う。｣

鈴｢なんだよ...もういいや、じゃ。｣

そう言って鈴本さんは校舎に戻って行った。

A｢えーっと...いまいち状況がよくわからないんだけど...｣

茜｢ごめんごめん、さっきのは鈴本美愉っていって、隣のクラスなんだけど私の中学の同級生でさ。私が一目惚れしたっていう話を昨日電話でしたら、守屋に害与えないように駆除するとか言い出して。｣

茜の表情が少し暗くなる。

ん？どういうこと？鈴本さんはその一目惚れの相手が私だと思ったってこと？でも仮にそうだとしてもどうして駆除するの？？

茜｢...私、過去に色々あってさ、恋愛がトラウマっていうか、まぁ深くは話せないけど。それで、鈴本は守ってくれようとしたんだと思う。｣

A｢あ、そうなんだ...｣

茜｢うん、ごめんね。迷惑かけちゃったね私のせいで。｣

A｢ううん、大丈夫だよ。｣

茜｢ありがと。じゃ教室戻ろ。｣

さっきの表情、なんだったんだろ...でも今は昨日と変わらない茜だし、あんまり深く聞くのもだめだよね。まだ知り合って2日なんだし。気にしない方がいいかな。一目惚れしたのは、否定してなかったな。私じゃない誰かに、一目惚れしたってことか。
誰なんだろう。なんかわからないけど気になってしまう。なんで胸がズキズキするんだろう。わからない。

曖昧な気持ちのまま、私は茜と教室に戻った。

愛｢あ、やっと来た。茜、A、どこ行ってたの？｣

あーそうだ。登校してくる途中に鈴本さんに捕まったから教室来てなかった。

茜｢んーちょっとね。｣

愛｢なんだそれ笑｣

塚本T｢HRはじめるぞー｣

先生が来たので私達は席に戻った。