実験体は逃げ出したい【降谷零】

広いホーム ページ7

「あの…俺来て良いんですか。」


「来ちゃダメなら置いてくる。」


そうですよね。と会話が途切れる。気まずい。コナンくんのもとに帰りたい。切実に思う。




「苦しいです。」


ぎゅーっとジョディという女性に抱きつかれて意識が飛びかけている俺です。


「シュウ！こんな子とは聞いてないわ！」


「…ああ。言ってないからな。詳しくは。」


そのあと俺はジョディさんから話を聞いた。漸く納得できた。そうと言えば良いものを。


「ジョディさん。何時も赤井さんはあんなにツンツンしてるんですか？」


「ええ。コナンくんの前では少し柔らかいけどね」


コナンくん。君はいったい何者なんだ。FBIを後ろ楯にしているなんて。


「じゃ。いきましょうか。」


「へ、」


ぐいっと引っ張られついたのは狙撃場。


「上からの許可は貰ってるわ。さぁ！じゃんじゃんやっちゃって！」


「駄目ですよ。職権乱用は」


うっ図星を付かれたように少し唸ったジョディさん。でもせっかくだからやらせてもらおう。




「随分上手ね」


「あれ？聞いてないんですか？モルモットのことを」


「モルモット？」


どうやら知らないようなのでコナンくんに伝えたときと同じくらいの量を話した。


「そんなの聞いてなかった…」


「だろうと思いました。」


スコープを覗きながら話をする。少し中心からずれてしまった。銃を置いて向かい合う。


「此からは色々とお世話になるかもしれません」


「宜しくお願いしますね。」


「ええ。」


握手を交わした。

︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵︵

「シュウ！シュウ！見てこれ！」


「ほぉー…そんな趣味が。」


「無いです。ジョディさんの頼みです。断るわけにはいきません。」


そこには女装した俺とそれを眺める赤井と満足そうに笑うジョディさんの姿があった。

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