7話 ページ7
知友side
昨晩、左馬刻におかしな事を言われたので気晴らしに今日はシンジュクに来ている。
夜の街シンジュク。昼間はその姿を隠している。
そんなシンジュクの街を僕は軽快なステップで歩き回る。
新調した靴の底は硬くトントンと軽やかにメロディを刻む。
次は服でも買おうか。
そんなことを頭に置きながら街をブラブラと歩いていると、一人のサラリーマンが目に入った。
このご時世、さして珍しくもない濃いめの赤髪。
目に入ったのはそこではなく、そのサラリーマンがチンピラに絡まれているという点だ。
うわぁ…
思わず声に出そうになった軽蔑を頭の中に閉じ込める。
こんな時、とる行動は一つ。
「こーんにーちわー」
間延びした声でチンピラ連中とサラリーマンに声をかける。
するとチンピラさんはいい鴨を見つけたと言わんばかりに僕に視線を向ける。
複数人が同時にギャンギャンと吠えるので何を言っているのかよく分からなかったが、大体金をよこせ…という内容だとは理解出来た。
「いいですよぉ」
僕は財布から万札を10数枚取り出し、彼らに渡す。
彼らは大金を前に顔を見合わせて喜んだ…が。
「でもそれ、あんまり派手につかわない方がいいですよ」
「俺らに説教垂れるのかよ」
男達は今どき三流作家でも書かないような台詞を恥ずかしげもなく吐き出す。
人の話を聞くという事を覚えて頂きたい。
「僕、中央区のお姉さんとお友達なんです」
そう一言言うといい加減バカな若者も気づいたらしい。
こんな大金を子供がホイホイと持っているはずがない。
つまり___
「下手に使うと政府が動くかもよ」
僕はそう言いながら、彼らが持つマイクに目を向ける。
おそらく違法マイクの類いだろう。
人間、一つや二つ犯罪を犯しているものだ。大なれ小なれ。
そうなってくると、権力者の腹いせに牢屋にぶち込まれるなんてことは十分有り得る。
男達は僕に万札を投げつけるとおぼつかない足取りで走り去っていった。
チキンな連中だこと。
僕は頭を切りかえ、サラリーマンの方に目を向ける。
「ご、ごめんなさい」
随分弱腰な人だな。普通ありがとうでは？
なんて思っている間にも彼はペコペコと頭を下げている。
「いえいえお気になさらず」
僕はそう言うと、サラリーマンを置いて服を買いに
デパートに向かった。
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まぁにゃん(プロフ) - りっぴょんさん» そう言って頂けると嬉しいです！更新頑張ります！ (2019年12月8日 12時) (
レス) id: 4f60f06f3d (このIDを非表示/違反報告)
りっぴょん(プロフ) - 文章が読みやすく惹き込まれます。続きを読む手が止まらないっ…！！お気に入り登録させて頂きました。 (2019年12月8日 12時) (レス) id: d00b99b79a (このIDを非表示/違反報告)
まぁにゃん(プロフ) - 。＃vll さん» ありがとうございます！今直してきました！ (2019年12月8日 8時) (レス) id: 4f60f06f3d (このIDを非表示/違反報告)
。＃vll - あの、四話のホストをやれなくもないだろうが。の「だ」が「ど」になっています、僕の勘違いかも知れません。作品はとても面白く続きを楽しみにしています！応援しております！ (2019年12月8日 2時) (レス) id: 01ebef5845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まぁにゃん | 作成日時：2019年12月5日 23時
