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「……お〜い、智く〜ん？」
珍しく懐古モードに入っていた俺の思考が戻ってきたときには、もう廊下が騒がしくなっていた。
「櫻井さん、大野さん、スタンバイお願いします！」
呼びに来たスタッフの声で立ち上がる。
「はい、もう話し終わり〜。俺は別に迷惑なんてこれっぽっちも思ってないよ」
そう言って、翔くんの腕を引っ張れば、
「……ん。分かった。ありがとう」
清々しい顔になって、「よし！行こうぜ！」と気合いを入れて立ち上がる。
その頼もしい背中が、きっとにのも大好きなんだろう。
「お疲れさ〜ん」
「翔ちゃんお疲れ様！」
「あ、翔くんお疲れ」
俺のことは触れてくれないんかい。
頼みの綱はあと一人。
「翔ちゃん……お疲れ様」
「にのもお疲れ」
でも、にのはもう翔くんと一緒にいる。
昔はスキンシップ過多のにのに付き合ってずっとくっついてたりしたけど、
いなくなってしまえばその温もりも懐かしい。
たまには、俺のとこにも来てくれると良いな。
なんて思うけど、なんだかんだ言って、翔くんと一緒のにのの方が可愛くて俺は好きなのかもしれない。
「じゃあ、そろそろ俺は帰ろっかな」
腰を上げて、みんなと別れる。出てすぐに、
「待って、智くん！」
「翔くん？」
この後も仕事のはずの翔くんが、俺の所に駆け寄ってきた。
「どうした？」
「智くん、いつも通りだったから、すっかり忘れるところだった……はい」
包みが、一つ。
「何で？これ何？」
「やっぱり忘れてたのか……
あなた、明日誕生日でしょ」
「……あ」
すっかり忘れてた。確かにそうだ。と、言う事は……
「誕生日の、プレゼント。俺、明日は多分忙しすぎて会えないからさ」
遅れるより、早い方がいいでしょ？
そう言ってにこっと微笑む顔は、無意識なんだろうけど、ちょっと、いや結構可愛い。
「じゃあ、俺、次の仕事もあるし行くわ。じゃあね。
……これからも、よろしく」
最後の方は照れ臭かったのか、足早に戻っていってしまった。
「……翔くん、ありがと」
ぼそっと呟いてくるっと背を向け、行き来た道を帰っていく。
きっと今、四人はわいわいがやがや何かしゃべっている事だろう。
もしかしたら、一組のカップルはラブラブの真っ最中かもしれない。
考えながら、自分の考えが悟りすぎていることに気付いたけど。
それでもいい。みんなが幸せなのが、俺の幸せだから。
END
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あかし(プロフ) - taekoさん» あまーーい！（byハンバーグ師匠）って感じでしたが…よく考えれば逆転歳の差という変化球でした…えへ。他にもSNさんなお話もあるので読んでってくださいませませ。コメントありがとうございますっ (2017年1月25日 22時) (
レス) id: a2aacb0a53 (このIDを非表示/違反報告)
taeko(プロフ) - あかしさん、あまーい！お話ありがとうございました。オトナになったしょうくん、この先店長の行動にどうなるのか？いっちゃえー！とsn担ながらも応援したいですよう。そしてあいばさん…。お疲れさまです。 (2017年1月25日 20時) (レス) id: 7194cb19fe (このIDを非表示/違反報告)
珠櫻(プロフ) - aoiさん» aoiさん、ご訪問ありがとうございます。豪華な作者様のお話はとても素晴らしいですよね！オムニバスはラストスパートなので、それまで楽しんでいただけましたら幸いです(#^^#) (2017年1月15日 10時) (レス) id: a60d445f6f (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - よく拝見させて頂いてる作品の作者さんが多くて、どのお話もとても楽しかったです。素敵な時間をありがとうございました(^ ^)Sさんの誕生日までまだまだ楽しませて頂きます！ (2017年1月14日 14時) (レス) id: d8d6835fa4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チームMagnet
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作成日時：2016年11月26日 17時
