Painful love -4-

story127 ページ43

緋山side


A様子を見に、ICUに行ったら

やっぱり、藍沢がいた。

「まだ、決めてなかったんだ。」

藍「指導医になりたい………と。」

「でも、あんたもその気持ち

分かるんでしょ。

似た者同士だし、キャリアを優先したく

なる気持ちがさ。」

もし、立場が藍沢だったら

きっとキャリアを優先するだろう。

藍「今日だけだった。

こんなにゆっくり、出勤できたのが。

“ヘリを降りてから考えてほしい”

それだけ、言えとけばよかった。」

冴「昨日、二人でご飯に行ったとき

A先生、決めてましたよ。

やっぱり、指導医がしたいって。

でも、私が藍沢先生の過去の話をしたら

明日、何がなんでも言う、って。

そう決意してたのに………。」

「お腹の子は、大丈夫。

目覚めたら、言ってくれるよ。」



そう信じて、私はAが

目覚めるのを待って。

主治医には、私がなるからね、って

取り上げるのは私ね、って。

伝えてあげよう。

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