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「美緒、今日から部活見学でしょ。早くして」
放課後。
美緒と一緒に部活見学に行くため、2組に顔を出す。
「あっ、A待って!」
美緒は女の子たちと一緒に、例の先生を囲んで喋っていたようだった。
先生は私の姿に気づいて、笑いかけてくれる。
私は少し頭を下げて、再び美緒へ視線を戻す。
「あ、先生!私が言ってたAってこの子です!」
美緒が思い出したように、先生に話す。
「そうなんだ」
「美緒、何で人の話してんの」
私が嫌そうに顔をしかめると、美緒が「ごめんね?」と軽く手を合わせる。
美緒が帰り支度を整えてる間に、教室にいた女子たちは出ていく。
「A。そういえばさ、怜くんが昼休み、私のところに来たよ」
「そう。で、どうかしたの?」
すると、美緒が困ったように笑った。
「怜くんのこと、許してあげよ?Aと仲良くなりたいだけなんだよ、きっと。私から謝ってもらえるように頼まれたの」
「……別に、私が悪いわけじゃないでしょ。むしろ、私の方が迷惑してるんだけど」
「けど、怜くんは」
「てか、早くしてくれない?見学時間が短くなる」
私の言葉に、美緒は鞄を持って私のところへ歩いていく。先生じゃあね、と美緒は手を振っていたけど、私はそのまま廊下に出た。
「ねぇねぇ、何部見たい?」
「剣道と弓道」
「わ、さすが。カッコいい!じゃ、その後、私男バス見たいから付き合ってね?」
「何で男バス?」
「成瀬先生がね、男バスの顧問なんだって!マネージャーとかできないかなあって!」
二人で肩を並べて廊下を歩く。
会話しながら、さっきの美緒の言葉が頭に浮かんだ。
別に、私だって平山が悪くないことくらい、分かってる。
けど、私は美緒みたいに友達付き合いが上手くないから、平山に対して冷たい態度しか取れないんだよ。
こういう風に考えるのって、柄じゃないんだけど。平山もわざわざ美緒のところに行ったらしいし、明日、一言 言っておこうか。
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)
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